『9.オススメの本を知りたい』のカテゴリの記事では、他の記事の中で引用した本について、詳しくご紹介します。
どの本も、私自身が実際に読み、
などの感想をもち、自信をもってオススメできる本となります。
ぜひ、興味を持たれた場合は、一度、本を読んでみてください!(私自身が読んでいない本、自信をもってオススメできない本は、引用もしませんし、ご紹介もしませんので)
今回の記事でご紹介する本は、
・伊賀 泰代 著 『生産性』
です。
この本は、オススメ度「★★」です。ぜひ、1回でも読むことで、「生産性」の意味を正しく理解して、「生産性」を高めることの重要性と、「生産性」を向上させるために必要な考え方とその実現方法を知り、あなたの「働き方」をより良いものに変えるきっかけにしてください!
目次
伊賀 泰代さんは、どんな人?
元マッキンゼー・アンド・カンパニーのキャリア形成コンサルタント
『生産性』の著者紹介によると
キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。
一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。
1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにてコンサルタント、および、人材育成、採用マネージャーを務める。
2011年に独立し、人材育成、組織運営に関わるコンサルティング業務に従事。
伊賀 泰代 著 『生産性』(2016)
とあります。
『瞬時に現状の課題を整理し、解決策を考え意思決定できるようになる『ゼロ秒思考』』の記事でご紹介した『ゼロ秒思考』の著者である赤羽 雄二さんも、元マッキンゼーの方ですが、
伊賀 泰代さんにしても、赤羽 雄二さんにしても、マッキンゼーの方々のキャリアは本当に輝かしいですよね、、、
元々優秀な人がマッキンゼーに入社し、「アップ・オア・アウト」、すなわち、「昇格するか、組織を出ていくか」のふたつの選択肢しかないという厳しい環境の中で、
更に、洗練されていく、徹底して、論理的な思考、本質を見極める思考が磨かれていく(そうしないと、組織に残れない)ので、
その思考は凡人には到底追いつくことができないレベルに達しています。
本書もやはり、鋭い洞察による、日本社会に対する的確な問題提起と具体的で実行可能な解決策の提示が行われているので、
- 気づきと学びが非常に多い
- 良い意味で、自分の常識を破壊される
- しかし、自分の何を改め、これから何を実行すべきかが明確になる
内容になっています。
本書や他のマッキンゼーの方々が書いた本を読むと、
「あぁ、今まで全然できていなかった、、、」「そもそもの考え方が間違っていた、、、」
と思うことは多々ありますが、そこで自分の未熟さを知り、上には上がいることを知り、世界は広いことを知り、気づきや学びを多く与えてくれたことに感謝し、
「さて、日常生活や仕事において、どう活用していこうか?」「どうやって、日常生活や仕事をより良いものにしていけば良いのか?」
という前向きな考えを持つことが大切です!
過去の私のように、圧倒的な差に打ちひしがれて、自分の未熟さを痛感し過ぎて、「なんて自分はダメなんだ、、、」「自分には価値がない、、、」という気持ちになり、勝手に落ち込み続けるようなことはしないでくださいね(泣)
本を読むことの最大の目的は、「使えるアイデアを吸収し、すぐにでも自身の日常生活や仕事で活用すること」ですので、
「アップ・オア・アウト」の過酷な環境下でこそ磨かれた考え方、見えてきたアイデアや本質を、
(過酷な環境に身を置くこともなく)「本を読むだけでその大部分を学ぶことができてラッキー!」「長年の経験から見えてきた貴重な本質を知れてラッキー!」
という気持ちで、尊敬と感謝の念とともに、貪欲に吸収すると良いです!
どんな人にオススメなのか?
生産性を向上させ、短時間で成果を残したいすべての人
本書『生産性』は、
- 長時間労働から抜け出したい、、、
- 残業することなく、就業時間内で仕事を終わらせたい、、、
- 「働き方改革」を実行しているけど、仕事の量が減っていない、、、
- 「生産性」の意味を正しく理解して、実際に「生産性」を向上させたい!
- 「生産性」を向上させるために必要な考え方とその実現方法を知りたい!
など、生産性を向上させ、短時間で成果を残したいすべての人にオススメです!
「生産性」とは?
生産性 = 得られた成果 ÷ 投入した資源
そもそも「生産性」ってどういう意味?「生産性」の定義は!?
と思われたかもしれませんが、
まずは、言葉の定義をしっかり抑えておくことが重要です。
『5-1.短時間で成果を残すには、高生産性を追求すること』の記事でも引用しましたが、
本書『生産性』の中で書かれている通り、
生産性 = 得られた成果 ÷ 投入した資源 = アウトプット ÷ インプット である。
伊賀 泰代 著 『生産性』(2016)
という意味です。
「得られた成果」とは、何かしらの活動により獲得できた結果のことですが、企業では、主に、売上や利益のことです。
マーケティング部門では、新規の見込み客であったり、採用部門では、入社する人の数だったりもしますが、企業において、一番重要なのは、間違いなく利益となります。
例え、どれだけ売上があっても、新規の見込み客を獲得できても、新入社員を採用できても、利益が無いと、会社が存続できませんので、、、
「投入した資源」とは、何かしらの活動に対して必要となった「人」「もの」「金」、更には、「時間」や「エネルギー(気力や体力)」などのことです。
個人にとって、一番貴重な資源は、人生そのものである「時間」となります。
そして、「生産性を向上させる」とは、より少ない資源で、より多くの成果を得ることです。
「生産性を向上させる」には、下記の通り、4つの方法があり、
(1) 改善(improvement)により、投入資源を少しでも小さくする(目標例は、3%程度のコスト削減)
(2) 革新(innovation)により、投入資源を大幅に小さくする(目標例は、30%程度のコスト削減)
(3) 改善(improvement)により、成果を少しでも大きくする(目標例は、3%程度の利益増加)
(4) 革新(innovation)により、成果を大幅に大きくする(目標例は、30%程度の利益増加)
伊賀 泰代 著 『生産性』(2016)
「生産性」の意味と「生産性を向上させる」4つの方法をしっかり抑えておくことが重要です!
「生産性の向上」に取り組む際は、どの方法で、どの程度の目標を設定するか?を必ず明確にすることが大切で、方法が「改善」か「革新」か、目標は約「3%」か約「30%」かで、検討すべき内容、実行すべきことが全く異なります!
なぜ、「生産性の向上」が重要なのか?
なぜ、「生産性の向上」が重要なのか?というと、
- 「働き方改革」で、真に求められているものだから
- 「生産性の向上」は、個人の成長そのものだから
です。
「働き方改革」で、真に求められているものだから
社会環境が劇的に変わる中で、企業には「働き方改革」が求められていますが、その真の目的は「生産性の向上」になります。
よくある間違いとしては、
- 会議の時間や数を減らすこと
- 残業時間を減らすこと
- テレワークを導入すること
自体が「働き方改革」の目的となり、
現状と比較して「会議や残業を●●%削減すること」「通勤時間を●●時間削減すること」などを目標として、
会議や残業を削減できたから、通勤時間を削減できたから、「働き方改革」に成功した!!
などと「働き方改革」の成否を決めていることがあります。
確かに、「投入した資源」が減っていることは事実ですが、「投入した資源」を減らしたうえで、
- 現状の利益を維持できているのか?
- 現状以上の利益を得ることができているのか?
- 今まで以上に顧客に価値を提供できているのか?
ということをしっかり計測し、「生産性が向上していること」を確認してから、「働き方改革」が成功したのか?失敗したのか?を決める必要があります。
「投入した資源」を減らすのは良いことですが、利益や顧客に対する価値も減っていては、全く意味がありません。
「現状以上の利益を得る」ということは、「今まで以上に顧客に価値を提供する」ということに他なりません。
「働き方改革」を行うことで、「顧客にどのような価値が提供されるのか?」ということが全く検討されていない、そもそも「『どのように働き方改革を行うか』という議論上に顧客の存在がいない」ということが、あってはいけません!
「会議を減らすこと、残業を減らすことが、どのように顧客に提供する価値が増えることにつながるのか?」「テレワークを行うことが、どのように顧客のメリットにつながるのか?」
それらを完全に明確にしなければ、「生産性が向上する」ハズも、「働き方改革が成功する」ハズもありません。
本当に議論すべき論点は、「どうやって会議を減らすことができるか?」でも、「どうやって残業を減らせるか?」でも、「どうやってテレワークを導入できるか?」でもなく、
本当に議論すべき論点は、
- どうすれば、今まで以上に顧客に価値を提供できるのか?
- どうすれば、今まで以上に顧客を満足させることができるのか?
- そららを実現したうえで、どうすれば、今まで以上の利益を得られるのか?
です。
「どうすれば、今まで以上に顧客に価値を提供できるのか?」
を考えたときに、お客様にサービスを提供する時間、お客様のために商品やサービスを検討する時間が、
情報共有などの「お客様に価値を提供すること」と関係のない会議に奪われているのであれば、真っ先にそのような会議を辞めるべきです。
「どうすれば、今まで以上に顧客を満足させることができるのか?」
を考えたときに、お客様の課題をヒアリングするための時間、その解決策を検討する時間が、
伝票処理などの「お客様を満足させること」と関係のない業務に奪われているのであれば、すぐにでもそのような業務を減らせるようにすべきです。
そのような業務を削減した結果、残業時間が減るのであれば、なお良しです。
テレワークを導入するのも、「通勤」を無くすことで、その時間やエネルギー(気力や体力)、お金を、お客様の価値提供に使えるようにするためです。
テレワークを導入することで、リモート(遠隔)で、いつでもどこでもお客様と繋がることができ、お客様の悩みや課題を解決できるスピードを向上させ、お客様の満足度を高めるためです。
「働き方改革」の真の目的は、「生産性の向上」=「より少ない資源で、より多くの成果を得る」であることを理解して、「いかに顧客に提供する価値を増やせるか?」「いかに顧客満足度を高めれるか?」を真剣に検討することが重要です!
「生産性の向上」は、個人の成長そのものだから
また、「生産性の向上」、すなわち、より少ない資源で、より多くの成果を得られるようになることは、ビジネスパーソンが追求すべき成長そのものです。
確かに、「出来ないことが出来るようになること」「分からないことが分かるようになること」も、成長であることは間違いないですが、
・今まで以上の成果(利益など)を、今までより少ない資源(時間、エネルギー、お金、人、ものなど)で得る
ということの方が、難易度が高いことであり、だからこそ、目指すべきものになります。
短時間で成果を残せるようになることは、下記のように
- 短時間で成果を残せるようになる
- 今までと同等のこと、もしくは、それ以上のことをしても、時間に余裕ができる
- 余った時間を、将来的意義があること(将来プラスになること)に投資することができる
- 稼ぐ力やお金そのものを増やすことができるようになる
- 養った稼ぐ力や貯蓄したお金を使うことで、更に、短時間で成果を残せるようになる
良循環をもたらします。
短時間で成果を残せるようになることのデメリットは、「他人からズルいと言われる」「何かやった感が少ない」ことぐらいです(笑)正々堂々と短時間で成果を残せるようになることを目指し、少しずつでも着実に成長することが大切です!
どのように、「生産性」を向上させれば良いのか?
革新(innovation)により、成果を大幅に大きくする
現在、企業は、劇的に時代が移り変わる中で、グローバルな競争が求められ、新しい技術、新しいサービス、新しい競合相手が次から次へと生まれてくる状況において、
革新(innovation)により、成果を大幅に大きくする
ことが求められています。
日本企業の多くが「改善(improvement)により、投入資源を少しでも小さくする」こと、すなわち、日々の業務改善に意識を集中させているなかで、
海外で急成長を成し遂げている企業は、「革新(innovation)により、成果を大幅に大きくする」ことに意識を集中させ、言葉通り、世界を変えているからです。
そして、組織全体でイノベーションを起こし、生産性を向上させるためには、
「Time for innovation」と「Motivation for innovation」の2つの要素が必要である。
「Time for innovation」を生み出すには、「定型オペレーション業務の生産性向上」→「生まれた余裕時間のイノベーションへの投資」が必要である。
「Motivation for innovation」を生み出すには、現状に対する「問題認識」と「画期的な解決方法への強い希求心」のふたつが必要である。
伊賀 泰代 著 『生産性』(2016)
とあります。
「イノベーションを生み出すための余裕時間」も「イノベーションを生み出したいという強い動機」も、個人で作るものではありません。
全員が「生産性とは何か?」「どのような方法があるのか?」ということをより深く理解し、「革新(innovation)により、成果を大幅に大きくするんだ!」という想いを全員で共有し、組織全体で着実に作り出すことが大切です!
まとめ
- 「生産性を向上させる」とは、より少ない資源で、より多くの成果を得ること
- 「生産性を向上させる」ことで、今まで以上に顧客に価値を提供すること
- また、組織全体で革新(innovation)により、成果を大幅に大きくすること
ビジネスパーソンである以上、生産性の向上は、常に意識し、少しずつでも着実に実現していくべきものとなります。
本書『生産性』を読むことで、「生産性」の意味と「生産性の向上」に必要な考え方、その実現方法を理解して、実際に、より少ない資源で、より多くの成果を得ることができるようになり、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
「本当に読んで良かった」「考え方を変えることができた」「気づきや学びが非常に多かった」「この本が人生を変えたと言っても過言ではない!」