『9.オススメの本を知りたい』のカテゴリの記事では、これまで記事の中で引用した本について、詳しくご紹介します。
どの本も、私自身が実際に読み、
などの感想をもち、自信をもってオススメできる本となります。
ぜひ、興味を持たれた場合は、一度、本を読んでみてください!(私自身が読んでいない本、自信をもってオススメできない本は、引用もしませんし、ご紹介もしませんので)
今回の記事でご紹介する本は、
・白川 克・榊巻 亮 著『業務改革の教科書』
です。
この本は、オススメ度「★」です。本書には、すぐに現場で使える生々しいノウハウが詰まっていますので、もし、あなたが、企業を根本から変えるような大規模な業務改革プロジェクトに携わることになった場合は、ぜひ、本書を一読してから、プロジェクトに参画してください!
目次
白川 克・榊巻 亮さんとは、どんな人
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社のコンサルタント
『業務改革の教科書』の著者紹介によると
白川 克(しらかわ・まさる)
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)ディレクター
1972年生まれ。1996年一橋大学経済学部卒業。戦略策定、人事、会計、CRM、ワークスタイル改革など、幅広い分野のプロジェクトに参加。業務改革プロジェクトの立ち上げを特に得意としている。「空気を読まず、お客様にとって本当に正しいと思うことを言い、お客様とともに汗をかいて実行しきること」がコンセルティング・モットー。
榊巻 亮(さかまき・りょう)
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)アソシエイト・ディレクター
大学卒業後、大手建築会社に入社。業務改善活動に携わり、改革をやり遂げる大変さを痛感する。ケンブリッジ入社後は、「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画。ファシリテーションを活かした納得感のあるプロジェクト推進を得意としている。
白川 克・榊巻 亮 著『業務改革の教科書』(2013)
とあります。
『プロジェクトを成功に導く秘訣が満載の『プロジェクトを変える12の知恵』』の記事でご紹介した、
影山 明さんと同様に、白川 克さん、榊巻 亮さんもケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)のコンサルタントになります。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)は、企業変革のための新しいビジネス・モデルの検討から、業務改革、そして、IT導入までを、独自の「 ケンブリッジ式 ファシリテーション 」という確固たる方法論に基づき成功に導く、プロ集団です。
現在、企業は時代の変化に対応するために、大きな変革を求められています。
高度成長期に最適であった業務内容や基幹システムは、今の時代でも、最適であるとは言えません。
数年、あるいは、数十年という時間が経過して、今の時代に最適な業務内容や基幹システムに刷新するための変革プロジェクトが、多くの企業で推進されています。
そして、多くの方が、変革プロジェクトの大変さ、難しさ、辛さを痛感されているかと思います。
本書は、変革プロジェクトに携わることになったすべての人に、ぜひ、一読して欲しい一冊であり、すぐにでも、本書のノウハウを使って、困難な変革プロジェクトを、少しでも円滑に進めて、少しでもゴールの達成に近づけて欲しいです!
どんな人にオススメなのか?
業務改革プロジェクトに携わることになったすべての人
本書『業務改革の教科書』は、
- 業務改革プロジェクトに初めて参画することになった!
- けど、業務改革プロジェクトは、一体どこから進めれば良いのか分からない、、、
- 業務改革プロジェクトを始めたいけど、なかなかスタートできない、、、
- 業務改革プロジェクトの真っ最中で、すでに迷走中で困っている、、、
- 業務改革プロジェクトを円滑に進めていくための道しるべが欲しい!
など、業務改革プロジェクトに携わることになったすべての人にオススメです!
なぜ、『業務改革の教科書』がオススメなのか?
なぜ、『業務改革の教科書』がオススメなのか?というと、
企業を根本から変えるような大規模な変革プロジェクトにおいて、
- コンサルタントが、実際に使っている具体的なノウハウが詰まっている
- 全体像、抑えるべき勘所、そして、実行ステップが網羅されている
からです。
コンサルタントが、実際に使っている具体的なノウハウが詰まっている
「えっ、コンサルタントが実際に使っているノウハウを公開してるの!?」「(ノウハウ=飯のタネやのに)そんなことあるの!?」
と思われたかもしれませんが、
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)のコーポレートサイトでも、自社の強みとして、
・ノウハウは全部言語化して伝える
・次の変革は、お客様がケンブリッジ抜きでできるようにする
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)コーポレートサイト
と明言されています。
コンサルタントにとって、ノウハウは自身のメシのタネそのものなので、
私も「コンサルタントは自身のノウハウを明かさない」とばかり思っていましたが、『プロジェクトを変える12の知恵』や本書『業務改革の教科書』を読んで、
「本当に、ノウハウが全部言語化されている!」「ノウハウのボリュームが半端ない!!」
ということに衝撃を受けました、、、。そして、それは
「ここまで、さらけ出してホンマに大丈夫なんやろか、、、」「ちょっと、コレ、生々し過ぎるで、、、」
とこちらが心配してしまうレベルです(笑)
しかし、心配ばかりしていても仕方なく、「教えてもらえるなら、何でも教えてもらおう!」と思い、私は、本書を隅から隅まで読んで、実際のプロジェクトにおいて、その生々しくてすぐに使えるノウハウを、思う存分使い倒しています!
全体像、抑えるべき勘所、そして、実行ステップが網羅されている
また、基幹システムの刷新や抜本的な業務内容の変更を行う変革プロジェクトは、何度も経験できるものではないので、(経験しない人の方が圧倒的に多いので)
いざ、自分が変革プロジェクトに参画することになった場合、
- 一体、どんな全体像で、どこから手をつけたら良いのか、、、?
- どんなメンバーで推進するのが良いのか、、、?
- どこが勘所で、どのようなステップで進めたら良いのか、、、?
などの疑問が次々と沸いて来ますが、社内に同じ(似たような)変革プロジェクトを経験した人などいないので、途方に暮れてしまいます、、、
社内に、前回の変革プロジェクト(業務改革やシステム刷新)を担当された方はいるかもしれませんが、その内容を抜本的に変える取り組みをしなければならないので、ほとんど参考なりません、、、
そこで、他の企業において、同様の変革プロジェクトを成功に導いているケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社の実績に基づく「 ケンブリッジ式 ファシリテーション 」という確固たる方法論が大いに参考になります。
本書『業務改革の教科書』にも
プロジェクト計画は、実行されなければゴミである
白川 克・榊巻 亮 著『業務改革の教科書』(2013)
と書かれており、
・どんなに優秀なコンサルタントと優秀なメンバーが作った、どれだけ非の打ち所がないと思えるプロジェクト計画でも、実行されなければ何の意味も無い
という強い想いのうえで、
- どうすれば変革プロジェクトを成功に導けるのか?
- いかに経営層と現場を巻き込み、いかに実行できるプロジェクト計画とするか?
- いかに困難な課題を乗り越え、いかに関係者の納得感を高め、どうすればプロジェクトをやり遂げることができるか?
ということが、徹底的に議論し尽くされているので、その方法論、そのノウハウは、実際に実行でき、効果が絶大なものになります。
私は、別にケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社の回し者ではありませんが、実際のプロジェクトで「 ケンブリッジ式 ファシリテーション 」を真似させてもらい、本当に効果があった(絶大だった)ので、お伝えしています!
「業務改革プロジェクト」には何が必要なのか?
では、システム刷新などをともなうような大規模な業務改革プロジェクト(変革プロジェクト)には、何が必要なのか?というと、
変革プロジェクトには、「4つのP」、すなわち、
- Purpose:目的が定まっていること
- Process:到達するための道すじが明確になっていること
- Property:装備品、必要な道具が明確になっていること
- People:メンバーと体制が明確になっていること
が必要となります。
Purpose:目的が定まっていること
何よりも大切なのは、変革プロジェクトで目指すべきゴールです。
ゴールが定まっていないと、何をするにも、判断基準が曖昧になり、プロジェクトは迷走してしまいます、、、
『6-2.プロジェクトを成功に導く秘訣(1)「魅力的なゴール」を設定する』の記事でもご紹介していますが、
ゴールは、「SMART(スマート)なゴール」、すなわち、
- Specific(具体的):曖昧さがなく、誰が読んでも分かること
- Measurable(測定可能):達成できたかどうか、確認できること
- Attractive(魅力的):考えただけで、ワクワクすること
- Realistic(現実的):現実的に考えて、達成可能なこと
- Time-bound(期限):期限が明確であること
の5つの要素を満たすものにすることが大切です。
5つの要素の中でも、一番大切なものは、「Attractive(魅力的)」であり、困難な課題に直面した際、粘り強い交渉が求められる際、メンバーの士気が低下してきた際に、
「このゴールを達成するためなら、頑張ろう!」「魅力的なゴールを達成するために、踏ん張ろう!」「絶対、ゴールを達成するまで、やり遂げよう!!」
と思えるゴールにすることが重要です!
関係者全員が「絶対、達成したい!」と心から思えるゴールを設定できるか?でプロジェクトゴールを達成できるかどうかが決まると言っても過言ではないので、ゴール設定には、とことんこだわって、納得感の高いゴールを設定してください!
Process:到達するための道すじが明確になっていること
設定した変革プロジェクトのゴールに対して、「どのような施策(行動)を、どのような手順で、どのぐらいの期間をかけて実行するのか?」という、ゴールに到達するための道すじを明確にし、
- メンバー全員で共有する
- メンバー全員が、「これならゴールに到達できる!」と思えるものにする
ことが大切です。
プロジェクトの実行段階では、予期せぬこと、解決不可能と思えるような困難な課題、諦めたくなるような交渉が多々発生しますが、都度、対策を考え、計画を修正し、メンバー全員で共有して、一丸となって乗り越えていくしかありません!
Property:装備品、必要な道具が明確になっていること
変革プロジェクトを進めるうえでは、
- どのようなITツールを利用し、コミュニケーションを円滑に行うか?
- どんなITシステムを使って、プロジェクトの進捗を管理するか?
- どのような施設や設備を利用して、プロジェクトメンバーに効率良く作業してもらうか?
という、プロジェクトに必要な装備品や道具を明確にし、プロジェクトの実行段階前に揃える必要があります。
「Property:装備品、必要な道具」には、システムの開発環境や、プロジェクトメンバーがプロジェクト期間中に自由に使えるプロジェクトルームなども含まれており、装備品や道具は「プロジェクトを円滑に進められるか?」に直結します!
People:メンバーと体制が明確になっていること
ゴールの次に重要と言えるのが、実際にプロジェクトを進める「人」になります。
「どのようなメンバーで(どのような体制で)プロジェクトを進めるか?」によっても、プロジェクトの成否が分かれると言っても過言ではありません。
『6-3.プロジェクトを成功に導く秘訣(2)「情熱・勇気・忍耐力」を兼ね備える』の記事でも書いたのですが、
- 「絶対にゴールを達成したい!」「会社を変えたい!」「現場を劇的に良くしたい!」などの熱い情熱と
- 予期せぬ出来事、困難な課題、しんどい交渉に直面しても「だから何?」「ハッハッハッ、そう来ましたか?」「どう解決したろうかな?」と立ち向かえる勇気と粘り強さ
を兼ね揃えたメンバーを集めることが大切です。
どこの職場にも、「トラブルに直面しても、ワクワクしている人」がいるものですが(笑)、そのような人の方が変革プロジェクトには向いています。
変革プロジェクトでは、情熱と勇気と粘り強さを兼ね備えた人材を公募で募ると良く、変革プロジェクトは、「やらされ仕事」では、ゴールに到達することはほぼ不可能なので、部門で一人ずつ自動的に選抜するような人選は絶対にNGです!
「業務改革」は、どのように進めれば良いのか?
次に、システム刷新をともなう、大規模な業務改革プロジェクト(変革プロジェクト)は、どのように進めれば良いのか?とというと、
変革プロジェクトは、
- Concept Framingフェーズ:コンセプト固め
- Assessmentフェーズ:現状調査・分析
- Business Modelフェーズ:構想立案
- Decisionフェーズ:投資判断
の4つのフェーズを順番に実行するのが良いです。
Concept Framingフェーズ:コンセプト固め
「Concept Framingフェーズ:コンセプト固め」では、変革プロジェクトを行うことを決めてから、
- 「具体的にどのようなメンバーと体制で行うのか?」というチーム作り
- プロジェクトの「決裁者(社長や経営層など)は、何を期待しているのか?」というトップインタビュー
- 「プロジェクトで達成すべきゴールは具体的に何か?」というゴール設定
を行います。
「プロジェクトの決裁者(社長や経営層など)は、何を期待しているのか?」というトップインタビューをプロジェクト立ち上げ時にきっちり行っているプロジェクトは少ないですが、
変革プロジェクトには、通常、大きなコストと期間が必要になるので、プロジェクトの決裁者(社長や経営層など)の期待値を知り、期待に応えられるゴールや施策を提示することが必要不可欠です。
プロジェクトの決裁者(社長や経営層など)の期待に沿えないゴールや施策であった場合、プロジェクトの中断を命じられる可能性も十分にあり、検討していたゴールや施策がほぼ白紙に戻るので、事前にトップインタビューをした方が良いです!
トップインタビューをプロジェクト立ち上げ時にきっちり行っているプロジェクトが少ないのは、
決裁者(社長や経営層など)に遠慮して、(通常、決裁者は多忙なので)
「まずは、プロジェクトメンバーでゴールや施策を検討してから、それを報告しに行こう!」「そして、そこで承認してもらおう!!」
と考えてしまうことが多いからです。
決裁者(社長や経営層など)の期待値を事前に聞かずに、期待値以上のゴールや施策を提示できれば良いですが、そんなことはほとんどありませんので、
まずは、決裁者(社長や経営層など)の期待値を知り、その期待値を超えるようなゴールや施策を検討することが重要です。
Assessmentフェーズ:現状調査・分析
「Assessmentフェーズ:現状調査・分析」では、
- 「プロジェクトの対象(業務内容やシステムの状況など)が現状どうなっているか?」という現状調査
- 「現状調査したものの関連性や構造、仕組みがどうなっているか?」という現状分析
- 「現状分析した結果、何が問題で、どこを直せば良いのか?」という課題の特定
を行います。
様々な関係各所から丁寧にヒアリングを行い、業務内容やシステムを抜け・漏れなく棚卸し、それらの関連性や構造、仕組みを分かり易く整理し、
「諸悪の根源は何なのか?」「何さえ解決すればうまく行くのか!?」
ということをメンバーで議論を重ね、根本課題を特定することが大切です。
少しだけ補足しますが、「諸悪の根源」や「根本課題」などは、時代(環境)が変わったからこそ「諸悪の根源」や「根本課題」となっているのであって、もともとは、その時代(環境)に最適な業務内容、システムであったことがほとんどです!
ですので、今の時代(環境)に合っていないことが問題であり、「諸悪の根源」や「根本課題」などに特定された業務やシステムに携わっている人が問題なのではありません。
Business Modelフェーズ:構想立案
「Business Modelフェーズ:構想立案」では、
- 「特定した課題をどのように解決すれば良いのか?」という施策の洗い出し
- 「洗い出された施策の中で、実行すべき施策は何か?」という施策の絞り込み
- 「絞り込まれた施策に対して、本当にその施策で良いか?改善点は無いか?」という施策の検証と深掘り
を行います。
『6-6.プロジェクトを成功に導く秘訣(5)意思決定の「納得感」を高める』の記事でも書いているのですが、
議論はすべて、「選択肢を挙げる(風呂敷を広げる)」→「選択する(風呂敷を畳む)」という「発散/収束モデル」の流れに沿って行い、
一つ一つの意思決定の納得感を高めることが大切です。
「発散/収束モデル」で議論を行う際は、「論点は適切か?」「選択肢は出しきったか?」「納得できる理由や根拠があるか?」ということを常に問いかけることで、一つ一つの意思決定の納得感を高めていくことができます!
Decisionフェーズ:投資判断
「Decisionフェーズ:投資判断」では、
- 「検証と深掘りを終えた施策を、誰が、どのぐらいの期間で実行するか?」というスケジュールの作成
- 「施策を実行するうえで、どのようなリスクがあり、どのように対処するか?」というリスク管理
- 「プロジェクトのゴールを達成できた場合、どれほどメリットが得られるのか?」という投資対効果分析
を行います。
「Concept Framingフェーズ」「Assessmentフェーズ」「Business Modelフェーズ」「Decisionフェーズ:投資判断」で検討した内容を、分かり易く簡潔にまとめ、プロジェクトの決裁者(社長や経営層など)に提示し、
変革プロジェクトの計画に対する承認をもらい、変革プロジェクトの実行段階に移ります。
プロジェクトの成否は、プロジェクトの計画段階で決まると言っても過言ではありません。
本書のノウハウを最大限に活用することで、質の高い、実行可能なプロジェクト計画を作りあげ、難易度の高い変革プロジェクトを少しでも円滑に進めて下さい! そして、変革プロジェクトのゴールを達成できることを、心から願っています!
まとめ
- 『業務改革の教科書』では、実際にコンサルタントが使っているノウハウが、全て言語化されていること
- プロジェクト計画は、実行されなければゴミなので、実行できることが大前提とされていること
- 変革プロジェクトでは、「4つのP」を明確にし、「4つのフェーズ」を順番に実行すること
変革プロジェクトは、決して簡単なものではありません。
本当に予期せぬことが起こり、困難な課題に直面し、粘り強い交渉や実行が求められます、、、
だからこそ、やり遂げた際は、大きな達成感を得られ、大きく成長することができます!
本書『業務改革の教科書』のノウハウが少しでも参考になり、変革プロジェクトを少しでも円滑に進めることができ、変革プロジェクトをやり遂げられることで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
「本当に読んで良かった」「考え方を変えることができた」「気づきや学びが非常に多かった」「この本が人生を変えたと言っても過言ではない!」