『7.悩みごとを解決したい』のカテゴリの記事では、私自身がこれまで悩んできたこと、そして、『お問い合わせ』からいただいた「お悩みごと」に対して、
などについて、詳しく解説します。
ぜひ、あなたも日常生活や仕事で悩んでいる場合は『お問い合わせ』からご相談ください!
今回の「お悩みごと」は、
新規事業の始め方が分からない、、、
です。
現在は、企業を取り巻く環境がコロコロ変わり、「これさえやっておけば安心・安泰」と言える状況ではありません、、、。既存事業において収益を確保しつつ、新規事業を始めて新しい収益も確保する必要がありますので、今回は、新規事業の始め方について詳しく解説させて頂きます!
新規事業を始めるとは?
新規事業を始めるとは、具体的には、
- 既存事業での収益以外に、新しい収益を確保する
ということです。
既存事業での収益以外に、新しい収益を確保する
最近では、企業を取り巻く環境がコロコロ変わり、「これさえやっておけば安心・安泰」と言える状況ではありませんので、企業に勤めていても、経営層や上長から
既存事業からの収益だけでは経営厳しいから、新規事業を始めてな!
とサラっと言われることも多いかと思います、、、。
いやいや、そんなサラっと言われましても、いきなり新規事業なんて始められませんよ!というか、新規事業始めたことないし、、、
と戸惑う方も多いかと思いますが、実際に、既存事業だけやっていても収益は減少する一方ですので、間髪入れずに、新規事業を始める取り組みをする必要があります。
具体的に、既存事業以外で、新しい収益を確保する方法って何があるの!?
と思われたかもしれませんので、まずは、事業の分類についてご説明させて頂きます。
事業の分類に関しては、
『5-6.短時間で成果を残す原則(5)活動は、新規活動1つ、維持活動1つとする』の記事でもご紹介させて頂いた
『アンゾフの成長マトリクス』で考えると非常に分かり易いです。
新規事業=既存事業以外で、新しい収益を確保する方法と考えると、
- 新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する
- 既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する
- 新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する
の3つが、新規事業と言えます。
新規事業と言うと、「新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する」という「多角化」だけがイメージされやすいですが、「新規顧客開拓」や「アップセル・クロスセル」も既存事業以外で、新しい収益を確保する方法となります!
新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する
まず、「新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する」という「新規顧客開拓」のメリットは、
- 新しい商品やサービスを開発しなくても良い!
- 新規のお客様を獲得することだけに専念できる!
- すぐにでも、新しいお客様の獲得に向けた活動ができる!
ということです。
逆にデメリットは、
- 従来の商品やサービスに競争力が無いと、新規のお客様の獲得が難しい、、、
- 従来の商品やサービス以上の新しい価値を提供できない、、、
- 新規のお客様をどこでどうやって獲得すれば良いか分からない、、、
などととなります。
「新規顧客開拓」は、従来の商品やサービスに競争力(競合他社と比較した場合の優位性)がある場合に非常に有効な手段です。
「既存のお客様に従来の商品やサービスを提供する」という「従来の仕事」の延長線上で考えられることが多く、
既存のお客様に従来の商品やサービスを提供しながら、新しいお客様も探して、従来の商品やサービスを提供してな!
などとサラっと言われることも多々ありますが、
いやいや、そんなサラっと言われましても、「従来の仕事」だけで手一杯で、なかなか「新規顧客開拓」に手が回りませんよ、、、
とツッコミを入れたくなる状況であることも多く、
「新規顧客開拓」は片手間でできるほど甘くはありませんので、企業によっては、「新規顧客開拓」を専門で行う部署(チーム)を編成しています!
「新規顧客獲得」は新しいお客様との信頼関係をゼロから構築して、従来の商品やサービスの良さや企業自体の信用性を理解して頂く必要があるので、時間と労力も相応に掛かり、なかなか片手間で出来るものではありません、、、
既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する
次に、「既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する」という「アップセル・クロスセル」のメリットは、
- 新規のお客様とゼロから信頼関係を構築する必要がない!
- 既に、信頼関係を構築済であるお客様に新しい商品やサービスを提供できる!
- 従来の商品やサービス以上の新しい価値を提供できる!
ということです。
逆にデメリットは、
- 新しい商品やサービスを開発する必要がある、、、
- 新しい商品やサービスを提供するための体制を整える必要がある、、、
- 新しい商品やサービスの開発が終わり、提供体制が整うまで時間が掛かる、、、
などととなります。
「アップセル・クロスセル」は、既に信頼関係の厚い顧客基盤を築いている場合に非常に有効な手段です。
確かに、新しい商品やサービスを開発し、その提供体制を整えるまで時間や労力が必要となりますが、既存のお客様との信頼関係が出来ていますので、
新しい商品やサービスを開発したり、その提供体制を整える際も、
どんな新しい商品やサービスが欲しいですか?新しい商品やサービスに求める機能は何ですか?どのように新しい商品やサービスが購入できると良いですか?
などと、お客様に直接質問して、必要性や要望を確認することが可能となります!
既に信頼関係を構築済であるお客様に直接質問して、必要性や要望などの本音を聞き出し、それに基づいて新しい商品やサービスの開発・提供体制の整備を行い、競合他社より早く販売開始できれば、必然的に売れます!
新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する
最後に、「新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する」という「多角化」のメリットは、
- 新しい市場(業界・業種)のお客様を新規に獲得できるようになる!
- 従来の商品やサービス以上の新しい価値を提供できる!
- 成功すれば新しい収益の柱となり、ビジネスの規模を拡大できる!
ということです。
逆にデメリットは、
- 新しい商品やサービスを開発し、提供体制を整える必要がある、、、
- 新しい市場で、新規のお客様とゼロから信頼関係を築く必要がある、、、
- 新しい市場に対する理解を深め、新しい商品やサービスのニーズやウォンツを探る必要があり、膨大な時間や労力が掛かるが、成功する保証はない、、、
などととなります。
既存のお客様もおらず、従来の商品やサービスもないので、ゼロから新しいお客様と信頼関係を築き、ゼロから商品やサービスの開発や提供体制の整備が必要となり、
当然ですが、「多角化」が一番難しいです。
しかし、成功した場合に得られるインパクトは「多角化」が一番大きいのも事実で、多くの企業が試行錯誤しながら「多角化」に取り組んでいます。
「多角化」は「新規顧客開拓」よりも「アップセル・クロスセル」よりも時間や労力が必要で、かつ、成功させるのも難しいですが、その分成功した際は、従来とは異なる市場での収益確保が可能なので、やりがいも大きくなります!
なぜ、新規事業を始める必要があるのか?
なぜ、新規事業を始める必要があるのかというと、
- 激変の時代=VUCAの時代だから
です。
激変の時代=VUCAの時代だから
そんな大変な想いをしてまで、なんで新規事業を始めないといけないの、、、?
と疑問に思われたかもしれませんが、
『1-3.思考を変え人生を変える方法(3)起業家の思考をどんどんパクろう!』の記事でもご紹介させて頂いた通り、
現在は、激変の時代=VUCAの時代です。
VUCAの時代では、
- Volatility(変動性):課題が予想外、または、不安定で、どの程度続くかも分からない
- Uncertainly(不確実性):問題が起こるかどうか、事前に予見することができない
- Complexity(複雑性):数多くの要素が相互に関連していて、複雑に絡み合っている
- Ambiguity(曖昧性):因果関係が分からず、前例もない課題に直面する
という特徴があるので、
- 「これさえやっておけば安心・安泰」と言えるモノはなく、常に新規事業に取り組み、既存事業以外で、新しい収益を確保できるようにする
- 大胆な発想と勇気ある挑戦を繰り返し、新しい収益の柱を確立する
- 既存事業で目先の収益を確保し、新規事業で将来の収益を確保する
ことが求められます。
正直しんどい、、、。もっとラクできへんの!?
と思われたかもしれませんが、今はどれだけ大きな企業に勤めていても、公務員であっても、一生安泰とは言えません、、、。
覚悟を決めて、激変のVUCAの時代を生き抜く、むしろ、変化を楽しむぐらいの気持ちで新しい取り組みに挑戦し続ける、ことが必要となります。
激変の時代は、安定を求める人にはピンチですが、成長を求める人には大きなチャンスです!人は、未知の挑戦をすることで成長することができますので、時代の流れに乗って、大いに成長を楽しむことがオススメとなります!
どのように、新規事業を始めると良いのか?
新規事業=既存事業以外で、新しい収益を確保する方法と考えて、
- 新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する
- 既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する
- 新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する
のそれぞれ3つのパターン毎に新規事業の始め方をお伝えさせて頂きます。
新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する場合
まず、新規のお客様に従来の商品やサービスを提供する「新規顧客開拓」は、下記の順番で進めると良いです!
- 既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらう
- 新規のお客様を自力で集める
(1) 既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらう
ビジネスでは、
一番優秀(効果的)な広告は、紹介である
という格言があるぐらい、「新規顧客開拓」では、既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらうことが有効です!
実際に私は、
既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらえなくなるまで、紹介してもらう
ことを実践しています。
既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらうことのメリットは、
- 新規のお客様に関わらず、最初から信頼してもらえる!
- 既存のお客様での実績を120%活用できる!
- 注目を集めたり、話を聞いてもらう為のコスト(広告宣伝費など)が不要!
ということで、良いことばかりです。
強いて紹介のデメリットを挙げるとすれば、
- 紹介してもらったからには、下手なことはできない!
- 紹介してもらったお客様には、絶対に迷惑を掛けられない!
というプレッシャーがかかるぐらいですが、
お客様を満足させる(お客様の事前の期待を超える)ことが出来なければ、対価は頂けない
のは、紹介でも紹介でなくても同じです。
私は、既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらう際は、
- 同じ企業内で別の工場、支店、地域にいる同じ立場や役割の方
- 同じ市場内(業界・業種)で繋がりのある同じ立場や役割の方
をご紹介して頂くように依頼させて頂いており、しっかり既存のお客様を満足させることができていれば、
紹介!?ええで!!この工場(支店)の●●さんも同じ課題で悩んでいるハズやから、相談に乗ってあげてや!●●さんには事前に連絡しておくわ!
と快く了承頂けることがほとんどです!
もし、既存のお客様に新規のお客様を紹介して欲しい!というご依頼をした際に、
え、何で紹介せなアカンの、、、?
と嫌な顔をされたり、断られた場合は、既存のお客様を満足させることができていない可能性が高いので、新規のお客様をご紹介して頂く前に、まずは、既存のお客様を最高に満足させることに尽力する必要があります。
大手企業になると、同じ立場や役割の方が全国各地におられることが多く、また、少し前提条件は異なっても似たような悩みや課題を抱えておられるので、私は全国行脚しながらお客様と一緒に課題解決に取り組んでいます!
(2) 新規のお客様を自力で集める
「新規顧客開拓」では、既存のお客様に新規のお客様を紹介してもらうことが第一優先ですが、それが難しい(紹介してもらい尽くした、、、)場合は、
- 自社で現地開催のセミナーやオンライン開催のウェビナー等を行う
- 既存のお客様と同じ業界や業種の方々が集まる展示会に参加する
- 自社のWebサイトやSNSを活用してお問い合わせをもらう
など、新規のお客様を自力で集める必要があります。
ここでの最大のポイントは、
既存のお客様と同じ業界や業種で、同じ立場や役割の方々を集める
ことです。
同じ業界や業種、同じ立場や役割の方々を集めることで、新規のお客様のお悩みや課題に対して、
「●●のプロセスにおける、▲▲で困っていませんか?」「■■というジレンマを抱えていませんか?」「★★が諸悪の根源になっていませんか?」
など、既存のお客様に従来の商品やサービスをご提供してきたことで得られた知識や経験、実績やノウハウを120%有効活用することが可能となります。
ここで、既存のお客様と異なる業界や業種、異なる立場や役割の方々を集めても、
「っで、同じ業界や業種での導入実績は?」「えっ、ないの?ウチを実験台にするの!?」
という指摘を受けて、何も応えることができません、、、。(実際に、何も知識や経験、実績やノウハウがないので)
まずは、既存のお客様に紹介して頂くことが第一優先ですが、それが難しい場合は、既存のお客様と同じ業界や業種・同じ立場や役割の方々を集めて、今までの知識・経験・実績・ノウハウを総動員して新規のお客様を獲得し、最高に満足させてください!
既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する場合
次に、既存のお客様に新しい商品やサービスを提供する「アップセル・クロスセル」は、下記の順番で進めると良いです!
- 既存のお客様に直接質問して、ニーズやウォンツを聞き出す
- お客様が望む目標を達成できるように、新しい商品やサービスを提供する
(1) 既存のお客様に直接質問して、ニーズやウォンツを聞き出す
ビジネスは、
お客様の悩みや課題を知ることからすべてが始まる
ので、「アップセル・クロスセル」に取り組む場合は、既存のお客様との信頼関係を活用して、
既存のお客様に直接質問して、お悩みや課題を聞かないと勿体ない
です。
ここで、お客様にお悩みや課題を質問する際の注意点は、
「とりあえず、何か困っていることを教えてくれませんか!?」
などと、表面的なお悩みや課題を聞くのではなく、
「今、実現を目指しているゴールは何ですか!?」「一緒にビジネスの成功を目指したいので、達成したい最終目標を教えて頂けませんか!?」
というように、お客様のゴールや最終目標をヒアリングすることとなります。
お客様の解決すべき問題=課題とは、ゴール(最終目標)と現状のギャップ
のことなので、お客様が真に達成したい理想の未来を実現するためにも、下記ステップのように
- お客様の達成したいゴール(最終目標)をヒアリングする
- ゴール(最終目標)と現状のギャップを明らかにする
- なぜ、ギャップが生じているのか?根本課題を突き詰める
- 根本課題の解決手段を一緒に検討する
お客様の達成したいゴール(最終目標)をヒアリングして、お客様と一緒になって根本課題を解決していくことが大切です。
お客様から表面的な困りごとしか聞けずに御用聞きになるか、お客様からゴール(最終目標)をヒアリングして一緒に課題解決していくパートナーとなるかは、質問の仕方次第となります!
正直な話、表面的な困りごとを聞いて表面的な問題を解決した方がラクではあります。しかし、ラクばかりしていては、お客様と中長期的な信頼関係を構築することはできず、いつでも取引を終了される一業者となってしまいます、、、。
(2) お客様が望む目標を達成できるように、新しい商品やサービスを提供する
既存のお客様に直接質問して、達成したいゴール(最終目標)をヒアリングし、現状とゴールのギャップ=解決すべき問題=課題を明らかにしたら、
- 新しい商品やサービスを開発して
- 新しい商品やサービスの提供体制を整備して
- 必要であれば、社外の協力会社と連携して
お客様が望む目標を達成できるように、新しい商品やサービスを提供します。
ここでの最大のポイントは、
すべての商品やサービスは、お客様が望むゴールや最終目標を達成する為にある
ということです。
どんな商品やサービスを(何を)、どういう順番で導入すれば(どうすれば)、お客様が望む理想の未来を実現できるのか?
必ず、お客様と合意しておかなければいけません!
「全部、自社の商品やサービスを提供しろ!」「自社の売上を最大化しろ!!」
など、社内から不要な横やりが入るかもしれませんが、そんなことはどうでも良く、
自社の商品やサービスであってもなくても、自社以外の協力会社と協力しながらでも、お客様に一部の商品やサービスの調達をご依頼したとしても、
お客様とゴール(最終目標)と、それらの達成を阻む根本課題とその解決ステップを合意して、協力しながら一緒にゴール(最終目標)の実現を目指せること
が何よりも重要となります。
お客様が達成したい理想の未来を実現できるのであれば、自社の商品やサービスにこだわる必要は全くありません。
たとえ、自社とは全く関係のない商品やサービスをご提供することになったとしても、お客様がゴール(最終目標)を達成できるのであれば、それが一番です!
お客様がゴール(最終目標)を達成するのに、自社の商品やサービスを少ししか提供できず、短期的には利益が少なかったとしても、お客様がゴール(最終目標)を達成できれば、中長期的な信頼関係を築くことが可能となります!
新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する場合
最後に、新規のお客様に新しい商品やサービスを提供する「多角化」は、下記の順番で進めると良いです!
- まずは、自社実践して、圧倒的な成果を残す
- 自社実践で得られた知識・経験・成果物を提供する
(1) まずは、自社実践して、圧倒的な成果を残す
「多角化」では、
既存のお客様もおらず、従来の商品やサービスもないので、ゼロから新しいお客様と信頼関係を築き、ゼロから商品やサービスの開発や提供体制の整備が必要となる
ということを、お伝えさせて頂きましたので、
「多角化」を実現するには、一体、何から手を付けたら良いの!?
と思われたかもしれません。
私は、過去に何度も、、、というより、とにかく新しいことに挑戦したい性格なので、仕事ではほとんど新規事業の立ち上げに携わってきましたが、「多角化」を実現するには、
まずは、自社実践して、圧倒的な成果を残し、そこで得られた知識・経験・成果物を提供する
のが、一番オススメです!
圧倒的な成果って具体的にどんなもの?
と疑問に思われたかもしれませんが、
『5-1.短時間で成果を残すには、高生産性を追求すること』の記事でもご紹介させて頂いた
生産性に関する内容を抜粋すると、下記の通りとなり、
自社実践して、圧倒的な成果を残すというのは、
- 革新による資源の削減=30%程度のコストDown
- 革新による成果の向上=30%程度の利益UP
のどちらかを実績として残すことになります。
「30%程度のコストDown」や「30%程度の利益UP」には、必ず抜本的な革新が必要となり、
30%もコストDonw(利益UP)できたん!?どうやって!?むちゃくちゃ大変やったのでは!?
などと、お客様からも興味深々で様々な質問が飛んできます。
もちろん、抜本的な革新には困難が付き物であり、
- そもそも、30%程度のコストDonw(利益UP)を目指す覚悟が決まらない、、、
- 革新の実行に伴う大規模な投資を決断できない、、、
- 誰も革新プロジェクトの責任者になりたがらない、、、
- 抜本的なシステム開発・刷新が必要となるが、それらの経験が乏しい、、、
- 大規模プロジェクトの管理・実行を任せられる適任者がいない、、、
- 大規模プロジェクトを推進するメンバーを確保できない、、、
- プロジェクトのゴール設定、実行計画の立案が難しい、、、
- 次から次へと課題が増えていき、全く計画通りにいかない、、、
- プロジェクトメンバーのモチベーションを維持できない、、、
- 現場から強い反発を食らう。抵抗勢力が現れる、、、
- プロジェクト途中で予算が尽きそうになる、、、
- プロジェクト期限に到底間に合わない事態になる、、、
- 途中で経営層から方針転換(どんでん返し)をくらう、、、
などなど、列挙するとキリがありません。
「いやー、本当に大変でしたよ!」「そもそも経営層がGOを出さなくて、、、。それでも必要な改革だったので●●しました!」「▲▲が発覚した際はダメかと思いました、、、。けど、■■で何とかなりました!」
など、自社実践での経験談を生々しく具体的にお伝えすると、
なるほど、なるほど!そんな解決策があるんや!やっぱり、そこは苦労するか、、、。けど、★★で何とかなるんや!もっと教えて!!
など、お客様も強く共感・納得してくださり、質問が絶えることもありません。
これが、改善による「3%程度のコストDown」や「3%程度の利益UP」だと、こうはなりません、、、。
ふーん。そうなん。ウチもそれぐらい(3%程度のコストDownや利益UP)はやってるけど、、、
となって、それ以上話が進みません、、、。
やはり、新規事業として自社実践で得られた知識・経験・成果物を提供するのであれば、まずは、自社内で抜本的な革新に取り組み「30%程度のコスト削減 or 利益UP」ぐらいの実績を残さなければ話にならないのが現実です、、、
(2) 自社実践で得られた知識・経験・成果物を提供する
自社実践をして、数々の困難や失敗を乗り越えながらも、革新による「30%程度のコストDown」や「30%程度の利益UP」を達成できたら、
そこから得られた貴重な知識・経験・成果物は売り物になります。
ここでの最大のポイントは、
革新プロジェクトのプロジェクトマネージャーなど、プロジェクトに携わった中核メンバーをお客様に価値を提供するメンバーとしてアサインする
ことです。
たとえ、自社実践をして「30%程度のコストDown」や「30%程度の利益UP」を達成できたとしても、お客様に価値を提供するメンバーが革新プロジェクトの中核メンバーでなければ、
「えっと、そのときは、たしか、●●することでトラブルを回避できたかと、、、」「けど、ちょっと不確かなので社内で確認して回答します、、、」
など、お客様に対して曖昧な回答をしてしまい、
え、何で分からへんの、、、?自社実践したんじゃなかったの、、、?
など、お客様に共感・納得して頂ける訳もなく、不信感が募り、最悪の場合、商談も破棄されてしまいます。
これが、革新プロジェクトのプロジェクトマネージャーなど、中核メンバーであれば
「私が実際にプロジェクトをリードしました!」「経営層や現場の抵抗勢力を説得したのも、プロジェクトメンバーを鼓舞したのも私です!」「革新プロジェクトを遂行するために一番重要なのは、●●です!」
など、お客様からのどんな質問もその場で的確に回答できるので、説得力が全く異なります!
このように、自社実践で得られた知識・経験・成果物をお客様にご提供する場合は、
- 革新プロジェクトをいかにそっくりそのままご提供できるか?
- 更には、反省点などを改善して、いかに自社実践以上の価値を提供できるか?
が肝心となります。
ここで、私が実際に「多角化」を実践した具体例をご紹介させて頂きます。
『ブログ運営者のプロフィールとは?どんな人生を生き、今何をしているのか?』の記事でもご紹介させて頂いておりますが、
私は以前勤めていた会社で、システムエンジニアとして、防災無線システムの開発・導入要件の整理、システム全体の設計、案件全体の進捗・課題管理を行っていました。
その会社のグループ会社では、携帯ショップ(docomoショップやauショップ、softbankショップなど)も運営しており、複数の店舗を運営するエリアマネージャーから
お客様の待ち時間対策による機会損失の防止と店舗運営の効率化のために、新しく「携帯ショップ向けの来店者様呼び出しシステム」を開発してくれへん?
という依頼を受け、私はシステム開発のプロジェクトマネージャーに任命されました。
当時、防災無線システムには詳しかったですが、携帯ショップのことは全く知らなかったので、
そもそも携帯ショップでは、
- どのような業務が、どんな流れで行われているのか?
- それらの業務は、どのような体制で、どんな管理をされているのか?
- 各業務を実施する・店舗を運営するうえで、どのような問題を抱えているのか?
- 多くの問題の中から、優先的に「解決すべき問題」=「課題」は何なのか?
ということを、実際に店舗に行き、現場のスタッフの方々、店舗運営者の方々に話を聞かせてもらい、優先的に「解決すべき問題」=「課題」について議論させてもらいました。
現場を知らなければ話にならない、現場の方々が使い易く、現場の課題を解決できる価値のあるシステムでなければ意味がないので、
何度も現場の方々と議論を繰り返しながら、要件の整理やシステムの全体設計などを行い、
- 求められる要件に対して、その要件を実現するために必要な機能を整理する
- システムの全体設計を行い、全体構造と各機能(各要素)の関係を明らかにする
- 各機能の開発に必要な作業を洗い出して、実行体制とスケジュールを検討する
- 開発コストも算出し、お客様と機能内容、品質、納期、コストを合意する
- 合意したプロジェクトゴールを達成するために、日々進捗と課題を管理する
- 予想外の出来事、困難な課題に直面しても、知恵を振り絞って対応する
- 急な要件変更に対しても、現場の課題解決に必要であれば、最善の策を尽くす
など、プロジェクトマネージャーとして、試行錯誤しながら開発プロジェクト全体をリードしていきました。
毎日遅くまで残業し、四六時中プロジェクトのことを考えながら、プロジェクトメンバーと協力して、着実に粘り強くプロジェクトを進めていくことで、
半年後に全ての開発を完了させ、7ヶ月後以降から、順番に、5,6店舗にシステムを導入して
- 30%以下の人員で店舗を運営することが可能となった!
- 店員一人当たりの接客数が30%以上増加した!
- 更に、携帯ショップの店舗改善報告会で最優秀賞を受賞した!
などの圧倒的な成果を残すことができました。
特に、キャリアが主催する携帯ショップの店舗改善報告会で最優秀賞を受賞した反響は大きく
「携帯ショップ向けの来店者様呼び出しシステム」がどんなものか教えてくれませんか?というか、そのシステムは販売してないんですか!?
など、嬉しいお問い合わせを多く頂けたので、
- 実店舗へのシステム導入を担当した複数店舗の責任者(エリアマネージャー)
- システム開発のプロジェクトマネージャーを務めた私
がすぐに外販(=お客様へ価値をご提供する)メンバーとしてアサインされて、
社外のお客様に対して自社実践で得た知識・経験・成果物(この場合は、新しく開発したシステム)のご提供(販売)を開始しました。
自社実践での苦労とノウハウが詰まったこのシステムは、
- 開発着手から一年半後に、関西にある約300の携帯ショップに導入
- その後、携帯ショップに限らず、全国で約1,000施設に導入
され、もともとBtoC事業(一般のお客様に携帯電話を販売)しかしていませんでしたが、
自社実践で得た知識・経験・成果物をご提供することで、BtoB事業(携帯ショップを含む、お客様に待ち時間が発生する店舗や施設に開発したシステムを販売)を始めることができ、
新しい収益の柱として成長させることができました。
私が、この自社実践で得た知識・経験・成果物(今回は開発したシステム)をご提供することで「多角化」を行った際に強く感じたことは、
- 自社で本気で困っていることは、他のお客様でも深刻な悩みになっている
- 自社で試行錯誤しながらも圧倒的な成果(30%程度のコストDOWNや利益UP)を残すことができれば、それは他のお客様にとっても価値がある
ということです!
Amazonでも、もともと自社のECサイトを運営するためのシステム基盤をAWS(Amazon Web Services)というクラウドコンピューティングサービスとして提供し、新しい収益の柱としたことは、非常に有名な話です!ぜひ、自社実践からの「多角化」に取り組んでみてください!
まとめ
- 新規事業を始めるとは、既存事業以外で、新しい収益を確保すること
- 新規事業には、「新規顧客開拓」「アップセル・クロスセル」「多角化」がある
- 「新規顧客開拓」では、既存のお客様から新規のお客様をご紹介頂くこと
- 「アップセル・クロスセル」では、既存のお客様に直接ゴール(最終目標)を聞くこと
- 「多角化」では、まずは自社実践で30%程度のコストDOWN ・利益UPを達成すること
VUCAの時代である現代では、常に変化する経営環境や日々進化する科学技術に対応するために、既存事業で収益を確保しながら、新規事業で新しい収益を確保する取り組みもし続けなければいけません。
確かに大変ではありますが、変化をピンチと捉えるのではなく、新しいお客様を獲得できるチャンス・新しい商品やサービスを提供できるチャンス・新しい市場を開拓できるチャンスと考えて、
「新規顧客開拓」「アップセル・クロスセル」「多角化」に挑戦し続けてください!
新規事業を始めて、新しい収益を確保できることで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
「なぜ、悩んでしまうのか?」「どうすれば悩みが軽減されるのか?」「どうすれば悩みから解放されるのか?」