『9.オススメの本を知りたい』のカテゴリの記事では、他の記事の中で引用した本について、詳しくご紹介します。
どの本も、私自身が実際に読み、
などの感想をもち、自信をもってオススメできる本となります。
ぜひ、興味を持たれた場合は、一度、本を読んでみてください!(私自身が読んでいない本、自信をもってオススメできない本は、引用もしませんし、ご紹介もしませんので)
今回の記事でご紹介する本は、
・影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』- ケンブリッジ式 ファシリテーション -
です。
この本は、オススメ度「★★★」です。ぜひ、2回、3回と読むことで、プロジェクトを成功に導く秘訣そのものである『プロジェクトを変える 12の知恵』の内容を暗記して、あなたの参画するプロジェクトにおいて、「隙あらば使う!」ということを実践してみてください!
影山 明さんは、どんな人?
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社のコンサルタント
『プロジェクトを変える 12の知恵』の著者紹介によると
1973年生まれ。1996年横浜国立大学経営学部卒業。
中堅ソフトハウスを経て、2001年ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ入社。
コンサルタントとして数々のプロジェクトに参画。
現在はケンブリッジの人事を主に担当しながら、お客様へのコンサルティング・サービスにも携わっている。
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』(2011)
とあります。
ここで、着目して欲しいのは、「ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ入社」の部分です。
本書『プロジェクトを変える 12の知恵』のサブタイトルに、「 ケンブリッジ式 ファシリテーション 」とあるのは、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)にて提供されているコンサルティング・サービスの内容ということです。
そして、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)にて提供されているコンサルティング・サービスは、「ファシリテーション型変革コンサルティング」となります。
ファシリテーションとは、
- プロジェクトなど、複数人でゴールを達成するために行う活動において、円滑にゴールを達成できるようにチームを支援し、促進していくこと
となります。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)は、プロジェクトの中でも、最も難しいと言われる変革プロジェクトを、「 ケンブリッジ式 ファシリテーション 」という確固たる方法論に基づき成功に導く、プロ集団です。
私は、本書を読むまで、「プロジェクトマネジメント」を勉強し(関連資格も取得し)、プロジェクトを成功に導くには、「マネジメントをきっちりやることが重要」だと思っていましたが、
本書を読み「プロジェクトファシリテーション」という概念を知ってからは、その考え方がガラっと変わり、プロジェクトを成功に導くには、「ファシリテーションをいかにうまく行えるかがすべて」という考えになりました。
今では、「マネジメント」にはほとんど注力せず、「ファシリテーション」に時間とエネルギー(気力と体力)を集中投下しています。
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトのゴールを達成するために必要な作業、期間、品質、コスト、人員、設備、資材などを洗い出し、実行計画を立て、計画通りにゴールを達成できるように進捗や課題を管理することです。
プロジェクトマネジメントの主眼は、「計画立案」と「進捗・課題管理」となります。
確かに、「計画立案」と「進捗・課題管理」は、プロジェクトのゴールを達成するために必要なので、必要最低限のことはやりますが、プロジェクトマネジメントでは、
- プロジェクトゴールをいかにメンバー全員が達成したいと思える魅力的なものにするか?
- いかにプロジェクトメンバーがコミュニケーションを円滑に行えるようにするか?そして、チームの一体感を作りあげるか?
- プロジェクトで行われる一つ一つの意思決定の納得感をいかに高めるか?そして、チームの士気、メンバーのモチベーションを維持・向上させるか?
など、「プロジェクトを円滑に進めて、プロジェクトゴールを達成する=プロジェクトを成功に導く」ために本当に重要なことに、主眼が置かれていません。
本サイトの中では、何度も述べてきましたが、人は感情の生き物です。
人は、感情で行動して、その行動を正当化させるために、後から、論理的に理由付けします。
『6-1.なぜ、「プロジェクト」を成功させることは難しいのか?』の記事で詳参考記事しく書いていますが、
プロジェクトには、期限があり、不確実性がつきもので、同じものが何一つなく、利害関係者も非常に多く、ゴールを達成するには一筋縄ではいきません。
常に、期限(締め切り)に迫られています。
予想外のことがたくさん起こります。(もう、笑うしかないぐらいに、、、)
完全に同じものがなく、その場面、その状況に応じた意思決定が求められます。
利害関係者は、それぞれの立場で、意見を主張します。(もう、自身の都合で好き勝手なことを言います!)
困難な課題に直面しても、最善の解決策を模索し、刻々と変わる状況の変化に、柔軟に対応し、多くの利害関係者を全員満足させるまではいかなくても、少なからず全員に納得してもらうための、粘り強い対話を行うには、
- 困難な課題を解決してでも、どうしても達成したい魅力的なゴール
- もうダメだと思う気持ちを軽減し、やっぱり頑張ろうと思わせてくれるチームの一体感
- 自分達は多くの利害関係者の満足に大きく貢献しているという、メンバーのモチベーションの維持・向上
などが必要不可欠になります。
プロジェクトを円滑に進めるためには、各メンバーの感情面でのケアをきっちり行うことが大切であり、プロジェクトファシリテーションでは、それらのプロジェクトを成功に導くために本当に重要なことに主眼が置かれています!
どんな人にオススメなのか?
「プロジェクトが円滑に進んでいない」と感じている人
本書『プロジェクトを変える 12の知恵』は、
- プロジェクトのゴールがなかなか定まらない、、、
- プロジェクトのゴールが途中でコロコロ変わる、、、
- プロジェクトの課題が山積みで、全然減らない、、、
- プロジェクトメンバーのモチベーションがあがらない、、、
- プロジェクトのスケジュール遅延、コスト超過が発生している、、、
など、「プロジェクトが円滑に進んでいない、、、」と感じている人にオススメです!
なぜ、「プロジェクトを変える 12の知恵」が大切なのか?
プロジェクトを成功に導くために本当に重要なことが詰まっているから
なぜ、「プロジェクトを変える 12の知恵」が大切なのか?というと、
「プロジェクトを変える 12の知恵」には、プロジェクトを成功に導くために本当に重要なことである
- どうしても達成したい魅力的なゴールを作るためのノウハウ
- チームの一体感を醸成し、チームの士気、メンバーのモチベーションを維持・向上させるための創意工夫
- 更には、多くのプロジェクトで培ったプロジェクトを成功に導くためのテクニック
が詰まっているからです。
私は、本書を読むまで、プロジェクトマネジメント、すなわち、「計画立案」と「進捗・課題管理」に必死に注力していましたが、プロジェクトがうまくいくことは全然ありませんでした、、、
プロジェクトメンバーからは、
「ゴールとか、別に達成したいと思わへんし!」「というか、そのゴールは誰が決めたん!?」「勝手にゴールだけ決められても困るわ!!」
とか
「なんで自分だけこんなしんどいことせなあかんの?」「他のメンバーはラクしてるやん!?」
とか
「なんであんな意思決定したん?」「完全に独断と偏見で決めてるやん!?」「全く納得できへんわ、、、」
とか
「まったくやる気出ない、、、」「早くこのプロジェクト終わって欲しい、、、」「もう、プロジェクトと名のつくものには、今後一切、関わりたくない、、、」
などの不満の声が漏れ、チームの士気も、メンバーのモチベーションも見てわかるぐらい低下し、当然、プロジェクトのゴールを達成するのも困難な状況となっていました。
納期を守れなかったり、コストが超過したり、品質面でお客様からクレームが来るということも経験しています、、、
しかし、本書を読み、プロジェクトを成功に導くために本当に重要なことである「達成したいと思えるゴールの設定」「チームの一体感の醸成」「モチベーションの維持・向上」などに全力で取り組むことで、プロジェクトを円滑に進め、ゴールを達成できるようになりました!
もちろん、「プロジェクトを変える 12の知恵」を使っても、プロジェクト自体の難易度が変わる訳ではありませんが、「困難なプロジェクトを円滑に進めるための創意工夫」を使えることで、
- プロジェクトに参画するのが、楽しみと思えるように
- プロジェクトが「ただ辛い」ものから「しんどいけどやりがいのあるもの」に
- プロジェクトをやりきった時は、解放感だけでなく、大きな達成感も味わえるように
なりました!
「プロジェクトを変える 12の知恵」の具体的な内容は?
では、「プロジェクトを変える 12の知恵」が、具体的にどのような内容かというと、
- プロジェクト・ゴールとCSF(主要成功要因)
- ノーミング・セッション
- グランド・ルール
- セッション・ゴールとアジェンダ
- セッション・プラン
- 課題管理
- チェックポイント
- 「80・20」(エイティー・トゥエンティー)
- ファンクショナリティ・マトリクス(FM)
- イエローフラッグ
- タイムアウト・ルール
- Have Fun!
となります。
何か横文字だらけですよね(笑)上記の中から、「これは、すでにプロジェクトで実践しているな!」というものは、ありますか? 実は、私は、本書を読むまで、「プロジェクトを変える 12の知恵」を何ひとつ実践できていませんでした(泣)
それぞれの内容について、簡単ではありますが、一つ一つ解説していきます。
「プロジェクト・ゴールとCSF(主要成功要因)」とは?
『2-1.自分の人生を生きるには、何よりもまず人生のゴールを完全に明確にすること』の記事でも書いているのですが、
何かの取り組みを行う際は、
・ゴール(達成したいこと)を決めることが、何より重要
となります。
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』の中でも
ゴールを明確に決めない限り、成功したかどうか判断できない。つまり成功はない
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』(2011)
とあります。
ゴールを完全に明確にしないと、絶対に成功できないので、『6-2.プロジェクトを成功に導く秘訣(1)「魅力的なゴール」を設定する』の記事を参考にして、何よりもまず、「SMART(スマート)なゴール」を設定することが大切です!
そして、
・プロジェクトゴールは、プロジェクトで行われるすべての意思決定の基準
となります。
すべての意思決定が
- それは、プロジェクトゴールの達成に貢献するのか?
- どちらが、よりプロジェクトゴールの達成に貢献するのか?
- プロジェクトゴールの達成に貢献する、より良い方法は無いのか?
ということを基準に行われるようになります。
プロジェクトの意思決定は、プロジェクトゴールを基準に行われるものであり、決して、誰か一部の人、一部の部門の都合で行われるものではありません。(声の大きい人の基準で意思決定されてはいけません)
そして、CSF(主要成功要因)とは、
- これさえ満たせば、プロジェクトのゴールを達成できる!
- これが無ければ、プロジェクトのゴールを達成するのは、絶望的になる、、、
という、プロジェクトゴールを達成するために、必要不可欠な要因のことです。
「このプロジェクトでは、何が達成したいのか?」というゴールと、「何さえあれば、達成できるのか?」「何が無ければ、達成が絶望的になってしまうのか?」というCSF(主要成功要因)は、セットで考えることが重要となります!
※CSF(主要成功要因)は、「Critical Success Factor」の略です。
「ノーミング・セッション」とは?
「ノーミング・セッション」とは、短時間でチームの一体感を高めるための仕掛けのことで、具体的には
(1) プロジェクト概要の共有
(2) メンバーの決意表明
(3) 期待値の交換
(4) サブロール決定
(5) グランド・ルールの決定
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』(2011)
を行うことになります。
「(2) メンバーの決意表明」と「(3) 期待値の交換」に関しては、『6-4.プロジェクトを成功に導く秘訣(3)「決意表明と期待値の交換」を行う』の記事にて詳しく解説していますが、
- 自分がこのプロジェクトで達成したいこと、挑戦したいことは何か?(決意表明)
- 自分以外のメンバーに期待すること、サポートして欲しいことは何か?(期待値の交換)
をプロジェクトの開始時に行うことで、チームの雰囲気を、初めましてのよそよそしい雰囲気から、「同じゴールを達成するチーム」という協力的な雰囲気にガラッと変えることができます。
自分自身の想いをハッキリと述べるのは、少し恥ずかしいことですが、プロジェクトの一体感を醸成するためにも、プロジェクトの開始時に、ハッキリと「自分がしたいこと」と「相手にして欲しいこと」を伝えておくことが重要です!
「グランド・ルール」とは?
「グランド・ルール」とは、プロジェクトで守るべきルールのことです。
プロジェクトのルールに関しては、『6-5.プロジェクトを成功に導く秘訣(4)「プロジェクトルール」を決める』の記事にて詳しく解説していますが、
プロジェクトのルールを決めるメリットは、大きく
- メンバーの好ましい振る舞いを促進し、好ましくない振る舞いを防ぐこと
- 好ましくない振る舞いに対して、個人ではなく、チームとして指摘できること
の2つとなります。
特に、「好ましくない振る舞いに対して、個人ではなく、チームとして指摘できること」は、プロジェクトにおいて、上下関係を気にすることなく、「ダメなことはダメ」と言えるようになるので、効果的です。
例えば、プロジェクトのメンバーにベテランの社員がいて、
- 忙しいことを理由に、毎回会議に遅れてくる。もしくは、会議に来ない
- 全然面白くなさそうにして、プロジェクトに関与してこない。真剣に考えない
- もしくは、他のメンバーの意見を聞かず、自分の意見をゴリ押ししてくる
など、誰が見ても「好ましくない振る舞い」をしていた際に、
「●●さん、会議には遅れないでください!プロジェクトのルールなので!」「▲▲さん、他のメンバーの意見も聞いてください!これもルールなので!」
と、正々堂々チームとして指摘することが可能となります。
誰しもベテラン社員の好ましくない振る舞いに対しては、個人では指摘しにくいものですが、プロジェクトのルールの力を借りることで、チームとして指摘できるので、すぐに「好ましくない振る舞い」を是正できます!
「セッション・ゴールとアジェンダ」とは?
「セッション・ゴールとアジェンダ」とは、会議のゴールと議題を事前に明らかにすることです。
プロジェクトは、意思決定の連続なので、意思決定のための会議を何度も行うことになりますが、一つ一つの会議で、
- 決めるべきことを、きちんと決めること
- そして、その決定に対して、メンバー全員の納得感が高いこと
が大切になります。
会議で何も決まらないことは論外ですが、決まったことに対するメンバーの納得感が低いことも、メンバーの士気が、モチベーションが、著しく低下してしまう原因となるので、避けるべきことです。
一つ一つの会議で「決めるべきことを決め」「メンバー全員の納得感を高める」には、事前にゴールと議題を明らかにして、意思決定に必要なメンバーも集めるという、良い議論をするための準備が必要不可欠です!
「セッション・プラン」とは?
「セッション・プラン」とは、
「いつ、どのような内容の会議を、誰に参加してもらって実施するか」という計画を立てること
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』(2011)
となります。
一見、当たり前で簡単なことに思えるかもしれませんが、
- プロジェクトの計画段階で、実行段階の会議の予定をすべて事前に決めておくこと
- そして、会議の出席者の予定を予め抑えておくこと
を実践するには、
- 「いつ、どのタイミングで、どのような意思決定を行い、その意思決定には誰の参加が必要か」をすべて把握しておくこと
- そして、予定通りのタイミグで意思決定を行うために、それまでに意思決定に必要な事前準備をすべて完了させておくこと
が必要になりますので、綿密な計画立案と、計画通りにプロジェクトを進めるための実行力、課題解決力、調整力など、様々な力が必要になります。
プロジェクトの意思決定には、経営層(社長や役員)や部門長などの承認が必要になることが多く、それらの決裁者は多忙なことから、事前に予定を抑えることは、プロジェクトを遅延なく進めるための工夫となります!
しかし、
経営層(社長や役員)や部門長の予定を事前に抑えていたのは良かったけど、意思決定のための材料が不足していて、意思決定できなかった、、、
という事態はあってはならないことですので、予め計画した「セッション・プラン」を実行できるように、プロジェクトメンバーが一致団結して、プロジェクトを進めていくことが重要です。
「課題管理」とは?
プロジェクトを進めていくと、日々、大量に課題が発生してきますので、「大量の課題をうまく解決していく仕組み」を作って、課題を管理することが重要です。
大量の課題をうまく捌くには、
- 課題を洗い出すこと。発生したら、すぐに書き留めること
- 書き出した課題を分類すること。同じ意味の課題を纏めること
- 分類された課題に、優先順位をつけて、解決策を考え、実行していくこと
が必要になります。
基本的に、上記(1)~(3)の繰り返しになりますが、ポイントは「優先順位をつけること」そして、「すべての課題は解決できない」ということです。
優先順位は「すぐに解決すること」「次に解決すること」「解決しないこと」の3段階で分けると分かり易く、効率的になります! プロジェクトには、期限も人もお金も限られているので、「すべての課題を解決しよう」とはしないでください!
「チェックポイント」とは?
「チェックポイント」とは、「短い時間で行う振り返りのミーティング」のこととなります。
「短い時間」というのは、5分程度です。
5分程度の振り返りミーティングを行うことで、
- 毎日の進捗状況と課題をメンバー全員で共有することで、遅れや懸念事項に速やかに対処できるとともに、チームに一体感を与えることができる
- 会議の終わりに結論と次のアクションを共有することで、認識の齟齬を無くすことができるとともに、すぐに次のアクションを実行に移すことができる
というメリットがあります。
また、会議では、ゴールと議題の設定のやり方や、進め方に問題点や改善点があれば、その振り返りの中で共有することで、メンバー全員で、会議の質を高めていくことも可能です。
「チェックポイント」を長い時間をかけてダラダラやってはダメですが、「短い時間の振り返り」は、メンバー間での認識の齟齬をなくして、チームの一体感を醸成し、プロジェクトを円滑に進めるうえで、非常に効果的です。
「80・20」(エイティー・トゥエンティー)とは?
「80・20」(エイティー・トゥエンティー)は、パレートの法則「全体の数値の大部分(80%)は、全体を構成するうちの一部の要素(20%)が生み出しているという理論」に基づく考え方で、
・100%の成果を求めるのではなく、80%の成果を20%の時間で達成することを目指す
という考え方となります。
「80:20」の考え方を行うことで、
- 少ない時間と労力で、大きな成果を残すことができる
- 少ない時間と労力で、早く成果を残すことができる
- または、早く失敗に気づくことができる(もちろん、早く失敗の改善もできる)
というメリットがあります。
プロジェクトにおいて「80:20」を実践するためには、「本当に重要なことは何か?」「真っ先に注力すべき課題は何か?」「時間と労力の割に、成果が少ないことをしていないか?」ということを、常に問いかける必要があります!
「ファンクショナリティ・マトリクス(FM)」とは?
「ファンクショナリティ・マトリクス(FM)」とは、
システム機能の要件定義に欠かせないツール(システム機能一覧表)で、「やる」「次にやる」「やらない」を、その理由とともに明確することができるもの
影山 明 著『プロジェクトを変える 12の知恵』(2011)
となります。
「ファンクショナリティ・マトリクス(FM)」は
- システム機能の洗い出し
- システム機能の優先度を決めるための評価軸の選定
- システム機能の優先度「やる」「次にやる」「やらない」の決定
という3ステップで実行します。
本書の中では、システム機能の優先度を決めるための評価軸として、「ビジネスベネフィット(高・中・低)」「技術的容易性(高・中・低)」「組織受入態勢(高・中・低)」の3つが紹介されており、
各機能がそれぞれの評価軸で「高・中・低」のどれに該当するか?総合的にどうなるか?を一つ一つ評価することで、各機能の優先度「やる」「次にやる」「やらない」を決定していきます。
すべての評価軸で「高」の機能は、当然「やる」ことになりますし、すべての評価軸で「低」の機能は、「やらない」ことが決定されます。
「ファンクショナリティ・マトリクス(FM)」を実行し、「やる」「次にやる」「やらない」の優先度が一目瞭然になった、システム機能一覧表は、非常に分かり易く、誰もが高い納得感を持てるものとなります!
「イエローフラッグ」とは?
「イエローフラッグ」とは、「困っていることを周りに知らせること」です。
「なかなか課題が解決できない、、、」「解決の糸口がつかめない、、、」「そもそも何が課題なのかが分からない、、、」
など、一人で悩み続けていると、どんどん時間が経過してしまいます。
そして、一人の進捗遅延が、プロジェクト全体の遅延に発展することもあります。
困ったことがあった時は、すぐに周りに知らせることが重要であることは、誰しも分かっていることだとは思いますが、実際の現場では「恥ずかしさ」「気まずさ」「遠慮」からなかなか知らせることができないということも起こります、、、
- 困ったことを周りに知らせるのは、早ければ早いほど良いこと
- 困ったことを報告された人は、報告してくれたことに「ありがとう」と感謝の気持ちを示すこと
をプロジェクトの共通認識として(ルールとして)周知しておくこと、そして、困ったことをすぐに周りに知らしても良い雰囲気作りを、普段から行っておくことが大切です。
「タイムアウト・ルール」とは?
「タイムアウト・ルール」とは、会議や仕事で行き詰った際に、意図的な中断を行うことです。
特に、会議では
- 意見が白熱してきて(感情的になってきて)建設的な議論にならない
- 同じ議題を何度も何度も繰り返し議論してしまっている(結局、同じ問題にぶち当たる)
- どれだけ頭を捻っても、その場では良いアイデアが思い浮かばない
などの状況に陥ってしまう場合があります、、、
会議で何も決まらずに終わってしまうと、モヤモヤした気持ちや、徒労感が残るので、何とか結論が出せるように会議を延々と続けてしまうことがありますが、
「結局、結論がでない」「出た結論は、ろくなものではない」ということがほとんどですので、一旦、意図的に中断することが大切です! 他の仕事でも、行き詰った際は、一度、意図的に中断し、頭をリフレッシュさせると良いです!
「Have Fun!」とは?
「Have Fun!」とは、仕事そのものを楽しむことです。
「いやいやいや、仕事を楽しめる余裕なんて全然無いよ!」「そもそも、仕事ってあんまり楽しいものでもないし、、、」
と思われたかもしれませんが、
複数人で行うプロジェクトでは、特に、仕事そのものを楽しむことで、
- チームに一体感をもたらすことができる
- 困難な課題、忍耐力が必要な調整(交渉)をチームで乗り越えることができる
- チーム全体としての、(個人としても)成長を感じること(楽しむこと)ができる
というメリットがあります。
プロジェクトは、ゴールを達成するまで、長く辛い道のりを歩むことになりますが、その分、やり遂げたときには、チームとしての一体感や達成感を味わうこと、そして、チーム全体や個人としての大きな成長を感じることが可能です。
「全然面白くない、、、」と思ってしまう状況でも、無理やりにでも笑って、少しでも楽しむ気持ちをもって、プロジェクトに取り組むことで、少しずつでも成長を感じて、困難を乗り越える楽しさを味わえるようになることが大切です!
まとめ
- プロジェクトファシリテーションとは、円滑にゴールを達成できるようにチームを支援し、促進していくこと
- プロジェクトファシリテーションこそ、プロジェクトを成功に導くために本当に重要なこと
- 「プロジェクトを変える12の知恵」には、多くのプロジェクトでは実践されていない、プロジェクトファシリテーションのノウハウが詰まっていること
ぜひ、本書を2回、3回と読み、「プロジェクトを変える12の知恵」を実際のプロジェクトでも、どんどん使ってみてください!
「プロジェクトを変える12の知恵」の内容を実践することで、あなたのプロジェクトが円滑にゴールを達成できるようになり、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
「本当に読んで良かった」「考え方を変えることができた」「気づきや学びが非常に多かった」「この本が人生を変えたと言っても過言ではない!」