『6-4.プロジェクトを成功に導く秘訣(3)「決意表明と期待値の交換」を行う』の記事では、
- 「プロジェクト」の開始時や節目において、「決意表明と期待値の交換」を行うことで、「自分がしたいこと」「相手にして欲しいこと」をメンバーで共有して欲しいこと
- 「決意表明と期待値の交換」を行うことで、チームをただのヒトの集まりから、機能するチームへ引き上げ、相乗効果を発揮して、「プロジェクト」のゴールを達成して欲しいこと
をお伝えしました。
今回の記事も含めて、具体的に『プロジェクトを成功に導く秘訣』について、詳しく解説しますので、あなたが日常生活で、仕事をするうえで、「使える!」と思ったものは、どんどん実践してみてください!
『プロジェクトを成功に導く秘訣』の4つ目は、
・プロジェクトルールを決める
です。
「プロジェクト」を円滑に進めるためにも、「プロジェクト」に秩序をもたらすためにも、「プロジェクトルール」が必要になります。ルールでガチガチに縛られることは、私は全然好きではないですが、ルールが無いと、無秩序状態になるので、それは避けなければいけません!
目次
「プロジェクトルール」を決めるとは?
「プロジェクトルール」を決めるとは、
- 「プロジェクト」を円滑に進めるためのルールを決めること
です。
「プロジェクト」を円滑に進めるためのルールを決めること
日常生活でも、職場で仕事をするうえでも、何かしらのルールが決められているものです。
例えば、私の日常生活では、
- 毎日、21:00には(早いときは20:30頃から)子供と一緒に寝ること
- 土日は、13:00~15:00まで子供と一緒に昼寝すること(すいません、寝ることばかりで、、、。けど、寝ることが大好きなんです!)
- 毎朝、3:00~6:00を朝活の時間として、自己研鑽を欠かさないこと
- 毎朝、白湯を飲み、ヨーグルトを食べて胃腸を整えること
- 土曜日の午前中に、トイレや部屋の掃除を行うこと
- 毎月、一定の金額を貯蓄すること
- 日々の生活を「感謝の心」と「笑顔」で溢れさせるためにも、何かをしてもらったら、必ず、相手に対して「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えること
- 朝起きたら「おはよう」と気持ちよく挨拶し、寝るときは「おやすみなさい」と言うこと(子供は、毎晩寝る前に「ママ大好き!」と言って寝ています。パパではない(泣))
などのルールがあります。
例えば、職場で仕事をするうえで良くあるルールは、
- 毎日必ず、出勤時刻と退勤時刻を申請すること
- 深夜(22時以降)残業や休日出勤をする際は、必ず上長の許可を得ること
- 毎週末までに必ず、1週間の活動報告を行うこと(週報を提出すること)
- 毎週末までに必ず、1週間の交通費精算を行うこと
- 自社用車で帰宅する場合は、必ず上長の許可を得ること
- 一定金額以上、または、一定利益率以下の見積を提示する場合、必ず上長の許可を得ること
などです。
共通のルールを決めることで、日々の生活を気持ちよく行うことができます。
職場で仕事をするうえでも、円滑に作業を進めることができるようになったり、必要事項の抜け漏れを防ぐことができるようになります。
複数人が共同で生活をする、作業や活動を行う場合は、必ずと言って良いほど決めるルールですが、「プロジェクト」では、しばしばその「プロジェクトルール」が決まっていないことがあります。
確かに、職場のルールはきっちり決められてるけど、「プロジェクト」では、毎回ルールをきっちり決めてないかも、、、
と思われたかもしれませんが、
やはり、複数人で協力して同じゴールを目指して活動する以上、ルールは必要です。
「プロジェクトルール」が決められていない原因の一つに、「プロジェクト」は「期間限定のもの」という理由があるかもしれませんが、
たとえ、期間が短くても、複数人で協力して活動を行う際は、
円滑にゴールを達成するためにも、不要な「混乱」や「対立」を避けるためにも、「プロジェクトルール」を決めることが必要となります。
期間限定の「プロジェクト」において、「プロジェクトルール」を毎回決めることは、面倒で億劫なことかもしれませんが、ルールがあるのとないのでは大違いで、「ルールで活動を制限する」というより「ルールで活動を円滑にする」ためにも、メンバーがお互いに協力し易くなるようなルールを決めることが大切です!
なぜ、「プロジェクトルール」を決めることが大切なのか?
なぜ、「プロジェクトルール」を決めることが大切なのか?というと、
- ルール違反に対して、プロジェクト全体の意見として指摘できるから
です。
ルール違反に対して、プロジェクト全体の意見として指摘できるから
『6-4.プロジェクトを成功に導く秘訣(3)「決意表明と期待値の交換」を行う』の記事にて、
・プロジェクトチームは、一度、考え方の違いや意見の衝突が表に出てくることで、「混乱」や「対立」の状態になる
とお伝えしましたが、
「プロジェクト」の初めに「プロジェクトルール」を作り、各メンバーがプロジェクト活動を行う際に守って欲しいことを事前に共有することで、価値観の統一を行うことができ、「混乱」や「対立」の状態に陥るのを回避するのに役立ちます。
例えば、「プロジェクトルール」として、
- 自部門の利益を優先するのではなく、全体最適の視点で意思決定を行うこと
- 他人任せにするのではなく、主体的に活動を行うこと
- 会議では、必ず自分の意見を述べること。ただし、自分の意見を押し通すのではなく、他人の意見も尊重すること
- 会議を行う前に、目的とゴール、議題、タイムスケジュールをメンバーに通知すること
- 会議は開始・終了時間を厳守すること(早く終わるのはOK。遅く終わるのはNG)
- 会議を欠席する場合は、事前に連絡するとともに、議題に対する意見を伝えておくこと
- 会議の議事録は3営業日以内に作成し、メンバー全員に共有すること
などを決めておき、メンバー全員に共有しておくと「プロジェクト」が円滑に行えます。
「プロジェクトルール」を決めていると、もし、ルールを守れない人がいた場合でも、仮に、それが目上の人であったとしても、個人の意見としてではなく、プロジェクト全体の意見として指摘することができます。
例えば、目上の人が「プロジェクト」の会議に遅れてきた場合に、
(他のメンバーは守っているのに)なんで、会議の時間守れないんですか!?
と個人の意見として伝えると角が立ちますが(「混乱」と「対立」を呼びますが)、
会議の開始時間厳守は、「プロジェクトルール」なので守ってくださいね!
とプロジェクト全体の意見として指摘すると、角が立つことを防げます。
他にも、ある部門の部長などが、
その案は、ウチの部門としては、受け入れられない!!
などの発言をされた際に、
確かに、部門としては一時的に負荷が増えることになってしまいますが、全社としては、その案を採用することで、大きなメリットが得られます。全体最適の視点で意思決定するのが「プロジェクトルール」なので、再検討してもらえませんか?
というように、プロジェクト全体の意見として伝えることで、「個人」対「個人」の意見の対立を防ぎ、「プロジェクト全体としてどうあるべきか?」を協力して検討することが可能となります。
特に、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなどの立場の人から、プロジェクト全体の意見として、ルール違反を指摘するのが効果的です。
目上の人や部長などの役職者に対しては、言いたいことがあっても、「それは、ちょっと、、、」と思っていても、なかなか言いにくいものですが、「プロジェクトルール」が決まっていれば、言いにくいことも、プロジェクト全体の意見として指摘できるので、「プロジェクトルール」を盾にしてどんどん指摘してください(笑)
どのような、「プロジェクトルール」にすると良いのか?
どのような、「プロジェクトルール」にすると良いのか?というと、
- 「コミュニケーションルール」も盛り込まれたもの
にすると良いです。
「コミュニケーションルール」も盛り込まれたもの
「プロジェクトルール」を決める際には、
「いつ、誰に、どのように情報共有を行うか?」
という「コミュニケーションルール」も盛り込むと、より一層「プロジェクト」を円滑に進めること、不要な「混乱」や「対立」を避けることが可能です。
例えば、「コミュニケーションルール」としては、
- プロジェクトメンバーの情報共有は、●●というツール内で行い、全ての会話の履歴をメンバー全員が共有できるようにすること。
- また、「プロジェクト」に関係するファイルは、同じツール内に、カテゴリ分けして保存しておくこと。(社内における「プロジェクト」の情報は、そのツール内で全て確認できるようにすること)
- プロジェクトメンバーが全員登録された、メーリングリストを作成し、協力会社様などの社外の関係者とやり取りする場合は、そのメーリングリストを利用すること。(社外に対する「プロジェクト」の情報は、そのメーリングリストのやり取りで全て確認できるようにすること)
- プロジェクトオーナーと呼ばれる、プロジェクト実行のためのお金を出してくれる責任者(基本的に経営層が担う)に対しては、プロジェクトマネージャーから、定期的に(月1回など)プロジェクトでの決定事項や進捗状況、主な課題などをレポートとして提出すること
- プロジェクトを実行するうえで、緊急事態(期限やコストの超過が想定される大きなトラブル)が発生した場合は、速やかに、プロジェクトマネージャーからプロジェクトオーナーに報告を行うこと
などが考えられます。
「プロジェクトルール」に「コミュニケーションルール」を盛り込むことで、
いや、そんなん聞いてないし! そもそも、そんなこと誰が言った?
というような「言った、言わない」や「その情報を知らなかった」などの情報共有に関するトラブルを未然に防ぐことが可能です。
この情報共有に関するトラブルは、「プロジェクト」を実行するうえで、いくら注意をしていても、本当に良く発生する問題ですので、「コミュニケーションルール」を決めて、徹底してプロジェクトメンバー全員で情報共有を行うことが大切です。
ぜひ、あなたが参画する「プロジェクト」においても、不要な「混乱」や「対立」を避け、円滑に「プロジェクト」を進められるように、そして、プロジェクトゴールを達成できるように、「コミュニケーションルール」も盛り込まれた「プロジェクトルール」を決めてみてください!
まとめ
- 円滑にゴールを達成するためにも、不要な「混乱」や「対立」を避けるためにも、「プロジェクトルール」が必要であること
- ルール違反に対しては、プロジェクト全体の意見として指摘すると良いこと
- 「プロジェクトルール」に、「いつ、誰に、どのように情報共有を行うか?」という「コミュニケーションルール」も盛り込むこと
「ルール」というものに対しては、好き嫌いがあるかと思いますが、(私は嫌い派ですが、、、)「プロジェクト」を「より円滑にしてくれる」「不要な混乱や対立を減らしてくれる」効果的なルールは、やはり必要です。
(私が「ルール」を嫌いなのは、「行動をガチガチに制約するルール」「顧客に価値を全くもたらさないルール」「自分のことだけを考えて作られたルール」などに、辟易しているからです、、、)
ぜひ、あなたの「プロジェクト」においても、「プロジェクト」のゴールを達成しやすくなるような、効果的な「プロジェクトルール」を決めてみてください!
(決して、プロジェクトメンバーが悶絶して、モチベーションがただ下がりするような「プロジェクトルール」は決めないでください、、、)
あなたが、効果的な「プロジェクトルール」を決めて、「プロジェクト」のゴールを達成できるようになることで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!