6-21.プロジェクトを成功に導く秘訣(20)プロセスを可視化する

『6-20.プロジェクトを成功に導く秘訣(19)『7つの習慣』に従う』の記事では、

  • まずは、相手を理解することから始めて、Win-Winの関係を築き、相乗効果を発揮することで、複数人で効率的、かつ、効果的にプロジェクトゴールを達成して欲しいこと
  • 『7つの習慣』に従うためには、感情移入の傾聴を行い、Win-Winの関係にならない場合は決断しない(何もしない)で、相違点(違い)を喜んで歓迎して欲しいこと

をお伝えしました。

今回の記事も含めて、具体的に『プロジェクトを成功に導く秘訣』について、詳しく解説しますので、あなたが日常生活で、仕事をするうえで、「使える!」と思ったものは、どんどん実践してみてください!

『プロジェクトを成功に導く秘訣』の20個目は、

・プロセスを可視化する

です。

ヤミシタ

「プロセス」には、「工程(仕事や作業を進めていく順序)」や「過程(ある結果に達するまでの道筋)」という意味があり、「プロセスの可視化」では、これからの未来に対する「今後の進め方」とこれまでの過去に対する「今までの道筋」を明らかにする2つの可視化が大切です!

「プロセスを可視化する」とは?

「プロセスを可視化する」とは、

  • ゴールを達成するための工程を可視化すること
  • 意思決定の過程を可視化すること

です。

ゴールを達成するための工程を可視化すること

複数人で協力して、同じゴールを達成することを目指すプロジェクトでは、プロジェクトのゴールを設定することが何よりも大切ですが、プロジェクトのゴールを設定した後は、

「ゴールを達成するための工程を可視化すること」が大切です。

ゴールを達成するための工程を可視化するとは、

  • 最終ゴールを達成するために、節目節目で達成すべき中間目標は何なのか?
  • どのぐらいの人数で、どのような体制でゴールを達成するのか?
  • どのぐらいのコストと期間をかけて、どんなスケジュールでゴールを達成するのか?

などを明らかにすることです。

ゴールを達成するための工程を可視化することで、これからの未来に対する「今後の進め方」が明らかになります。

ヤミシタ

「プロセスを可視化する」1つ目の目的は、これからの未来を可視化して、関係者間で共通認識をもつことです! 関係者間で同じ未来を共有することで、お互いに協力して、プロジェクトゴールの達成を目指すことができます! 

意思決定の過程を可視化すること

プロジェクトは、意思決定の連続で、「ゴールの設定」「課題の優先順位付け」「解決策の決定」など、常に何かしらの意思決定が求められます。

複数人で協力して、円滑にプロジェクトを進めていくためには、「意思決定の過程を可視化すること」が大切です。

意思決定の過程を可視化するとは、

  • 誰が参加して論点が何で、どのような議論を経て、結論が導き出されたのか?
  • どんな選択肢の中から、どのように絞り込んでいったのか?
  • 何が決め手となって、どんな理由や根拠で意思決定がされたのか?

などを明らかにすることです。

意思決定の過程を可視化することで、これまでの「過去の経緯」が明らかになります。

ヤミシタ

「プロセスを可視化する」2つ目の目的は、これまでの過去を可視化して、関係者間で共通認識をもつことです! 関係者間で過去の経緯を共有することで、全員が納得感をもって、プロジェクトゴールの達成を目指すことができます! 

なぜ、「プロセスを可視化する」ことが大切なのか?

なぜ、「プロセスを可視化する」ことが大切なのか?というと、

  • 今後、関係者間で協力して作業を進められるようになるから
  • 過去の意思決定に対して、納得できるようになるから

です。

今後、関係者間で協力して作業を進められるようになるから

「ゴールを達成するための工程を可視化すること」で、「今後の進め方」が明らかになり、今後、関係者間で協力して、プロジェクトゴールを達成するための作業を進めれるようになります。

プロジェクトでは、関係者が非常に多くなりますが、それぞれの関係者が

  • 今後、どのような進め方でプロジェクトゴールを達成するのか?
  • 今後の進め方の中で、どのような役割と責任を担っているのか?
  • いつまでに、どんな作業を行い、何を達成しなければならないのか?

などを理解し、共通認識を持つことで、お互いに協力して作業を行うことができるようになります。

ゴールを達成するための工程が可視化できていなければ、プロジェクトの関係者は、

プロジェクト
メンバー

「今、自分が何をすべきなのか、、、」「今、相手が何をしているのか、、、」「全体から見て、自分や相手は順調なのか?遅れ気味なのか?」

も分からないので、お互いに協力することは、到底できません、、、

ヤミシタ

「プロセスを可視化する」ことで、各メンバーが「今後の進め方」「役割と責任」「進捗状況」などを把握して共通認識をもててこそ、お互いに協力して作業を進めることができるようになります!

過去の意思決定に対して、納得できるようになるから

「意思決定の過程を可視化すること」で、「過去の経緯」が明らかになり、プロジェクトの関係者が、過去の意思決定に対して、納得できるようになります。

プロジェクトの関係者全員が、プロジェクトで行われるすべての意思決定に携わるのは不可能で、

プロジェクトでは、メンバー全員で行う意思決定もありますが、与えられた役割や作業を行うチーム単位で意思決定をすることがほとんどです。

プロジェクトに、後から参加することになるメンバーや、節目節目にだけ参加する関係者(決裁権をもつ経営層など)もいます。

プロジェクト内で行われる、大小様々な意思決定の一つ一つで、「意思決定の過程を可視化すること」で、意思決定に参加していない関係者にも、納得してもらうことが大切です。

意思決定の過程を可視化していなければ、意思決定に参加していなかったメンバーに、

  • なぜ、この結論に至ったのか? どんな議論がされたのか?
  • すべての選択肢を検討したのか? そもそも選択肢に抜け漏れがなかったのか?
  • 何が決め手で意思決定したの? 納得できる理由や根拠はあったのか?

など、必ず、質問や指摘をされることになり、場合によっては、再度、意思決定のやり直しが必要になります、、、

ヤミシタ

プロジェクトを進めるうえで、スケジュール遅延、コスト増加に直結する最悪の出来事は、意思決定のやり直しです! 意思決定のやり直し=関連する作業のやり直しであり、メンバーの士気もガタ落ちするので、絶対阻止すべきものです!

どのように、「プロセスを可視化する」と良いのか?

どのように、「プロセスを可視化する」と良いのか?というと、

  • 今後の進め方を、関係者間で合意する
  • 意思決定の理由や根拠を残す
  • いつでも、誰でも分かるようにする

と良いです。

今後の進め方を、関係者間で合意する

関係者間で協力して、円滑にプロジェクトを進めるには、「ゴールを達成するための工程を可視化すること」で、「今後の進め方」を明らかにして、それを、関係者間で合意することが大切です。

プロジェクトには、様々な利害関係者がいますので、関係者間で「今後の進め方」を合意することは、めちゃくちゃ大変で、

ある関係者

このプロジェクトには、これ以上の人員を投入できません!(ウチも、人手不足でどのプロジェクトもカツカツで、、、)

とか

ある関係者

このコストでは、ここまでのことしかできませんけど、、、(求められていることを実現するには、数倍のコストがかかりますけど、、、)

とか

ある関係者

このスケジュールでは、絶対に納期に間に合いませんよ!!(バグだらけでも良いなら別ですけど、、、)

などの意見が、必ず、一部の関係者から出てきますので、

関係者間で人員やコスト、スケジュールなどの調整を行い、ようやく関係者間での合意が可能となります。

ヤミシタ

関係者間の調整が手間で大変だからと言って、一部の関係者だけで「今後の進め方」を決めることは絶対NGで、大変だとしても、関係者間での協力関係を築くためにも、「今後の進め方」は関係者全員で合意することが大切です。

意思決定の理由や根拠を残す

「意思決定の過程を可視化すること」で、意思決定に参加していない関係者にも、過去の意思決定に対して納得してもらうには、誰もが納得できるような意思決定の理由や根拠を残すことが大切です。

後から、誰が聞いても、

ある関係者

なるほど。その論点に対して、そういう議論があって、この結論に至ったんやね!

とか

ある関係者

あれだけの選択肢を出した後で、あの選択をしたんですね、、、納得。

とか

ある関係者

この理由(根拠)が決め手で、この意思決定したんや!確かに、それしかなない!!

など、思わず共感してしまうような、意思決定の理由や根拠を残すことで、過去の意思決定に対して納得してもらうことができ、再度、意思決定をやり直さなければならないことも無くなります。

たまに、意思決定の結果だけを残している場合がありますが、それでは、

「なぜ、その意思決定を行ったのか?」

意思決定に参加していない関係者に伝わりませんので、過去の意思決定に対して納得できず、疑問や不満が生じてしまう可能性が多々あります。

ヤミシタ

更に、その疑問や不満が蓄積されていくと、プロジェクト内に不協和音が生じて、プロジェクトを円滑に進められなくなる事態に陥ることもあるので、必ず、意思決定の結果とともに、その意思決定を行った理由や根拠を残すことが大切です。

いつでも、誰でも分かるようにする

ゴールを達成するための「今後の進め方」を関係者間で合意し、意思決定の理由や根拠を残すことで、「過去の経緯」を明らかにしたら、それらを、「いつでも、誰でも分かるようにする」ことが大切です。

プロジェクトを進めていると、

ある関係者

あれ、何でこんな体制でプロジェクトを進めてるんだったっけ?(キーパーソンが抜けてる気がする、、、)

とか

ある関係者

うん?このスケジュールは、なんかおかしい気がする、、、(このままでは、スケジュール遅延につながるな、、、)

とか

ある関係者

おぉっと、このままだと、コストオーパーになってしまうぞ!?(このコスト超過は許容範囲なのか?)

など、「今後の進め方」や「過去の経緯」について、疑問に感じること、気になることが必ず発生するものです。

また、プロジェクトの途中で新しく参加するメンバーや、節目節目だけに顔を出す関係者(経営層など)から、

  • プロジェクトのゴールと「今後の進め方」を簡単に教えて欲しい
  • これまでの「過去の経緯」を要点を抑えて、ザっと教えて欲しい
  • 今、現段階での最重要課題と、その対策方針について教えて欲しい

などの要望は良くされるものです。

それらの時に、

  • すぐに疑問や気になることを解消できる
  • 新しいメンバーがプロジェクトに参加しやすくなる
  • 経営層などに対して、説明しやすくなる

ようにするためにも、「今後の進め方」と「過去の経緯」を「誰でも、いつもで分かるようにしておく」と良いです!

ヤミシタ

もちろん、「今後の進め方」と「過去の経緯」を「誰でも、いつもで分かるようにする」には、それなりの時間と労力が必要ですが、「疑問が生じて前に進めなくなるより、過去の意思決定をやり直しするより絶対良い」です!

まとめ

  • 「プロセスの可視化」とは、「今後の進め方」と「過去の経緯」を明らかにすること
  • プロセスを可視化することで、関係者が過去の意思決定に納得したうえで、今後協力してプロジェクトを進めていくこと
  • 「今後の進め方」と「過去の経緯」は、「いつでも、誰でも分かるようにする」こと

プロジェクトを進めていると、課題の解決や取り組む作業に忙殺されて、「プロセスの可視化」を怠ってしまう場合があります。

「プロセスの可視化」を怠ると、関係者間での連携が取れていないことにより、ムダな作業が発生したり、過去の意思決定がやり直しになることで、今までやってきたことが水の泡になったりしますので、

「プロセスの可視化」を行い、「今後の進め方」「過去の経緯」を明らかにすることで、関係者が協力してプロジェクトを円滑に進めれるようになり、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!

6.プロジェクトを完遂したい