『6-14.プロジェクトを成功に導く秘訣(13)猛烈な反省から始める』の記事では、
- 「何かを変える」取り組みをする際は、過去を振り返り「過去の反省」から始めて欲しいこと、そして、関係者の賛同や納得を得て、未来に活かして欲しいこと
- 「猛烈な反省から始める」には、プロジェクト全体の振り返りを必ず行い、非難も容赦もせずに、「同じプロジェクトをするならどうする?」と問いかけて欲しいこと
をお伝えしました。
今回の記事も含めて、具体的に『プロジェクトを成功に導く秘訣』について、詳しく解説しますので、あなたが日常生活で、仕事をするうえで、「使える!」と思ったものは、どんどん実践してみてください!
『プロジェクトを成功に導く秘訣』の14個目は、
・良さを最大限に引き出す!
です。
プロジェクトでは、様々な良さ(「強み」や「得意分野」)を持つメンバーと一緒に協力して、中長期的なプロジェクトゴールを目指すことになりますので、各メンバーの「良さを最大限に引き出す!」ことで、チームとしてのパフォーマンスも最大限に向上させることが大切です!
目次
「良さを最大限に引き出す!」とは?
「良さを最大限に引き出す!」とは、
- 自分自身の良さを最大限に引き出すこと
- メンバーの良さを最大限に引き出すこと
- チーム全体で、良さを出し合うこと
です。
自分自身の良さを最大限に引き出すこと
プロジェクト活動を行ううえで、まずは、「自分自身の良さを最大限に引き出すこと」が大切です。
自分自身の良さ(「強み」や「得意分野」)がイマイチ分からんねんけど、、、
と思われたかもしれませんが、
自分自身の良さ、すなわち、「強み」や「得意分野」は、過去の実体験を振り返ることで分かります。
過去の実体験を振り返り、自分自身に
- 何を行っているとき、他のことを忘れるぐらい夢中になれたか?
- 何であれば、何時間でも夢中になってやり続けることができるか?
- 何をすることであれば、苦労や他人の声を気にせずに夢中になれるか?
と問いかけることで、「強み」や「得意分野」を改めて再認識することができます。
基本的に、夢中になってやれること(やれたこと)が、「強み」や「得意分野」となります。
私の場合は、「本を読むこと」が大好きであり、「本を読むこと」であれば、何時間でも夢中になって読み続けることができます!(過去を振り返っても、夢中になって読み続けることができていました!)
「本を読むこと」は、突き詰めると、「新しいことを学ぶこと」であり、新しいことをたくさん学ぶことができる(というか、学ばざる負えない、、、)新しいプロジェクトへの参画は、
いつもワクワクしてしまいますし、過去を振り返っても、積極的に(無意識のうちに)新しいプロジェクトへの参画に立候補していました。
また、自分自身の良さ(「強み」や「得意分野」)は、
『2-6.人生のゴールの見つけ方(5)実体験と自分の強みから考える』の記事でも書いているのですが、
自分の強みが分かる(本当にびっくりするぐらい当たる!)『ストレングス・ファインダー2.0』という便利なツールを使っても分かります。
私は、職場で『ストレングス・ファインダー2.0』を行い、自分自身の資質(=生まれながらに持っている強みの元)を知りましたが、一番上位の資質は、「学習欲」でした。
「学習欲」が高い人たちの声:「何かを学んでいないと落ち着かないんです。」
トム・ラス 著/古屋 博子 訳 『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(2017)
とありますが、これはまさに、私の心の声でした(笑)
過去の実体験を振り返ることで、「強み」や「得意分野」を再認識することができますが、便利で良く当たる『ストレングス・ファインダー2.0』を使い、自分自身の「強み」や「得意分野」を正しく理解することも、非常にオススメです!
メンバーの良さを最大限に引き出すこと
プロジェクト活動を行う際に、「自分自身の良さを最大限に引き出すこと」が出来れば、次は、「メンバーの良さを最大限に引き出すこと」が大切です。
『6-4.プロジェクトを成功に導く秘訣(3)「決意表明と期待値の交換」を行う』の記事にも書いているのですが、
メンバーの良さ、すなわち、「強み」や「得意分野」は、プロジェクトの開始時に、本人から直接聞くことが有効です。
プロジェクト開始時に、メンバー全員で、
- 今までどんな業務、どんなプロジェクトを経験してきたのか?
- 「強み」や「得意分野」は、何なのか?(「弱み」や「苦手分野」も何なのか?)
- 今回のプロジェクトでは、どんなことに挑戦したいと考えているのか?(どんなことはサポートして欲しいと考えているのか?)
などを、一人ずつ発表し、共通認識を持つことで、「メンバーの良さを最大限に引き出すこと」が非常にやり易くなります。
そして、これは、プロジェクトメンバーの初顔合わせの際に、それぞれがまだ、誰に対して何の偏見もない状態で、(プロジェクトが始まって、偏見を持つ前に!嫌なことが発生する前に!!)最初にやることが肝心です!
プロジェクトの開始時に、「強み」や「得意分野」「挑戦したいこと」を全員で共有することが重要であり、併せて、「弱み」や「苦手分野」「サポートして欲しいこと」も全員で共有しておくことで、プロジェクトを円滑に進められます!
チーム全体で、良さを出し合うこと
「メンバーの良さを最大限に引き出すこと」を目的として、「強み」や「得意分野」、「挑戦したいこと」をメンバー全員で共有することが出来れば、あとは、「チーム全体で、良さを出し合うこと」が大切です。
個人個人で見ると、「強み」と「弱み」、「得意分野」と「苦手分野」があり、凹凸が見えますが、
・チーム全体で見ると、良さを出し合うことで、「強み」と「得意分野」(凸)しか見えない
という状態にするのが理想です。
私が以前、システム開発のプロジェクトマネージャーをしていたときは、
- プログラム開発が得意な人(PC向けアプリケーション、スマートフォン向けアプリケーションでそれぞれ一人ずつ)
- ネットワークやセキュリティに強い人(インフラ構築が得意な人)
- ハードウェアに詳しい人(PCやスマートフォンの選定を任せられる人)
- 現場の業務に精通している人(実際に、現場経験もある人)
- 仕様書や設計書を書くのが好きな人(プログラムは書けないが、書き物が得意な人)
- 関係者間での調整や、交渉が上手な人(普段から調整や交渉に慣れている人)
- 動作確認や品質チェックを長年やっている人(リリース後の運用保守も行う人)
- 多くの仕入れ先をもち、顔の効く人(部材を安く、早く仕入れてくれる人)
など、様々な「強み」や「得意分野」を持つ人がいましたが、
「メンバーの良さを最大限に引き出すこと」、各メンバーが「強み」や「得意分野」を思う存分活かしてもらうことに注力して、チーム全体で良さを出し合っていました。
個人レベルでは「強み」と「弱み」、「得意分野」と「苦手分野」があり、凹凸があるのは当然ですが、チーム全体では、良さを出し合うことで「弱み」や「苦手分野」を解消して「強み」と「得意分野」しかない状態にすることが大切です!
なぜ、「良さを最大限に引き出す!」ことが大切なのか?
なぜ、「良さを最大限に引き出す!」ことが大切なのか?というと、
- 欠点を直すのには、時間が掛かるから
- 良さを引き出した方が、活き活きするから
- チーム全体としてのパフォーマンスが向上するから
です。
欠点を直すのには、時間が掛かるから
少し変な言い方をしますが、
・各自がそれぞれ数十年の人生の中で培ってきた「欠点」は、そんな簡単に直せるものではない
です。
確かに!「欠点」を簡単に直せたら、苦労せーへんわな!(簡単に直せるなら、「欠点」として残ってないしな!)
と思われたかもしれませんが、
数十年生きてきた中で、(恐らくほとんどの人が、自分の「欠点」に気づいている中で、)今も直されずに残っている「欠点」は、そんなに簡単に直りません、、、(泣)
ましてや、今まで生きてきた期間と比較すると、むちゃくちゃ短いプロジェクト期間内で、その「欠点」を直すのは、絶対ムリです。
そして、それだけ根強い「欠点」を直すのには、長い時間も、大きなエネルギー(気力と体力)も必要です。
「欠点」を直すことを、プロジェクト内でやる必要は全くありません。
というより、他にもやるべきことがたくさんあるので、「欠点」を直すことに、時間やエネルギー(気力や体力)を使っている余裕はありません、、、
「欠点」を直すことは、プロジェクト外でやってもらい、プロジェクト内では、「良さを最大限に引き出すこと」、「強み」や「得意分野」を思う存分活かしてもらうことが大切です。
『6-13.プロジェクトを成功に導く秘訣(12)やってみせてから、やらせる』の記事で書いていることも、「欠点」を直すことではなく、プロジェクトを成功に導くために必要な「スキル」を身に着けてもらうことを目的としています!
良さを引き出した方が、活き活きするから
直すことが難しい「欠点」を直すことよりも、各自の「良さを引き出した方が、活き活きする」ものです。
これは、誰もが実感されていることかと思います。
「強み」や「得意分野」を発揮して何かに取り組むことは、非常にやりがいもあり、楽しいものです。
それこそ、何時間もやり続けることができますし、苦労や大変さを乗り越えることも可能です。
プロジェクトは、一時的な集まりであり、ずっと一緒にいる訳ではないので、「欠点」を直すことよりも、「良さを最大限に引き出すこと」に注力し、プロジェクトの士気を、メンバーのモチベーションを高めることの方が得策です。
誰かとずっと一緒に過ごす場合は、もちろん中長期的に取り組むことで「欠点」も直し、普段の生活をお互いにとってより良いものにする努力が必要です。はい、ご察しの通り、結婚生活のことです(笑)
チーム全体としてのパフォーマンスが向上するから
各メンバーの「良さを最大限に引き出すこと」で、プロジェクトの士気を、メンバーのモチベーションを高めることができれば、更に、それをプロジェクト期間中維持できれば、
確実に、チーム全体としてのパフォーマンスが向上します。
当然のことですが、チーム全体のパフォーマンスは、
・メンバー個々のパフォーマンスをどれだけ向上させることができるか?
によって決まるものです。
個々のパフォーマンスを向上させるには、やはり、「良さを最大限に引き出すこと」、「強み」や「得意分野」を思う存分活かしてもらうことが大切です。
各プロジェクトメンバーの良さを最大限に引き出して、各メンバーに「強み」や「得意分野」を思う存分発揮して、プロジェクト活動に取り組んでもらえれば、自然と、チーム全体としてのパフォーマンスも向上していくものです!
どのように、「良さを最大限に引き出す!」と良いのか?
どのように、「良さを最大限に引き出す!」と良いのか?というと、
- 心をフロー状態に保つ
- 直接聞く、見て気づく
- 仕事をどんどん割り当てる
と良いです。
心をフロー状態に保つ
「心をフロー状態に保つ」ことに関しては、『3.心を最高の状態に保ちたい』のカテゴリにて一連の記事として書いているので、ここでは詳しくは割愛しますが、
心のフロー状態とは、
・心がどんなことにも「揺らがず」、何事にも「捉われず」、あるがままで自然な状態であること
ことです。
「心をフロー状態に保つ」ことで、各自が最大限の能力を発揮することが可能であり、
「心をフロー状態に保つ」ことが出来ている状態では、
- プロジェクトゴールを達成するために、今、何をすべきか?何が最善の手か?
- どうすれば、お客様や現場の方々を最高に満足させることができるか?
- 「良循環を起こせる」「これさえ解決すれば、他はうまくいく」ような課題は何か?
- どのように伝えれば、関係者全員が共感し、納得してくれるか?
- 「良さを最大限に引き出す!」には、各メンバーに何を任せると良いのか?
など、「本当に重要なこと」に時間とエネルギー(気力と体力)を集中投下できます!
逆に、「心をフロー状態に保つ」ことが出来ていない状態では、
- あぁ、何でこんなことせなアカンねん、、、
- 何で、このプロジェクトに巻き込まれてしまったんやろう、、、
- あの人と一緒にプロジェクトするの嫌やな、、、
- この案には、絶対反対されるわ。伝えに行くの辞めようかな、、、
- 早く今日の業務時間終わらへんかな。というか、プロジェクト早く終わって欲しい、、、
などの考えが浮かんでしまい、「本当に重要なこと」に対して、時間もエネルギー(気力と体力)も使えなくなってしまいます、、、
各メンバーの「心をフロー状態に保つ」には、プロジェクト内に心理的安全を確保する必要があり、プロジェクト内に心理的安全を確保するには、「本音で話し合える環境を作ること」が何より大切になります!
直接聞く、見て気づく
各メンバーの「良さを最大限に引き出す!」には、「強み」や「得意分野」を、プロジェクトの開始時に「本人から直接聞くこと」が有効であることは、上述した通りですが、
各メンバーの話に耳を傾け、各メンバーを良く観察することで、良さに気づくことも大切です。
各メンバーと話をしていて、各メンバーを見ていて
- 「何か」の話をしだしたら、止まる気配が無い!
- 「何か」に取り組んでいる時に、表情が明るく、見るからに楽しそう!
- 「何か」をしている時は、こちらからの声が全然届かないし、中断する気配もない!
などに気づいたら、その「何か」は、「強み」や「得意分野」である可能性が高いです。
各メンバーの「強み」や「得意分野」を見つけるには、各メンバーが夢中になっている瞬間(状態)を見つけると良いです! 夢中になっている瞬間(状態)は、いつ現れるか分からないので、各メンバーを注意深く観察することが大切です!
仕事をどんどん割り当てる
各メンバーの「良さを最大限に引き出す!」には、各メンバーの「強み」や「得意分野」を思う存分活かしてもらえるように、「仕事をどんどん割り当てる」と良いです。
仕事で「強み」や「得意分野」を活かすことで、良さは引き出されるものです。
- プログラム開発が得意な人には、プログラム開発の仕事をどんどん任せる
- プログラムは書けないが、書き物が得意な人には、仕様書や設計書を書く仕事をどんどん任せる
- 関係者間での調整や交渉が上手い人には、全体の取り纏めの仕事をどんどん任せる
- 人前で話すことが好きな人には、司会進行やプレゼンなどをどんどん任せまる
- 人前で話すことが苦手な人には、調査や分析の仕事をどんどん任せる
ことで、各メンバーが「強み」や「得意分野」を発揮して仕事をしてもらうことが大切です!
「強み」や「得意分野」は、活かしてナンボです。「強み」や「得意分野」を眠らしていては、むちゃくちゃ勿体ないです! 各メンバーの「強み」や「得意分野」は、「骨までしゃぶる」ぐらいがちょうど良いです(笑)
まとめ
- プロジェクトでは、自身と各メンバーの「良さを最大限に引き出す!」こと
- 「良さを最大限に引き出す!」には「強み」や「得意分野」を思う存分活かしてもらうこと
- 「良さを最大限に引き出す!」ことで、チーム全体のパフォーマンスを向上させること
「良さを最大限に引き出す!」ことで、あなた自身と各メンバーの「強み」や「得意分野」を思う存分活かし、
チーム全体のパフォーマンスを向上させ、プロジェクトゴールを達成することで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!