『3-15.心をフロー状態に保つ考え方(11)すべては自分の責任』の記事では、
- 悩みには、自分で解決できない「悪い悩み」と自分で解決できる「良い悩み」があり、「すべては自分の責任」と考えることで「悪い悩み」を「良い悩み」に変えて欲しいこと
- 自分で解決できる「良い悩み」だけをもつようにして、その「良い悩み」を解決するために、具体的な行動を起こし続けて欲しいこと
をお伝えしました。
今回の記事も含めて複数の記事で、心を「揺らがず」「捉われず」あるがままで自然な状態=フロー状態に保つ考え方をご紹介しますが、
心をフロー状態に保つ方法や考え方に絶対的な正解はなく、どんな方法、どんな考え方でも自分が「心をフロー状態に保つ」ことができればそれで良いので、ぜひ、あなたに最適な方法、考え方で心をフロー状態に保ち、常に、自分の能力を最大限に発揮してください!
本記事では、『心をフロー状態に保つ考え方』の12個目である
・人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)
という考え方をご紹介します。
心をフロー状態に保つには、「人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)」ことが大切です! 特に、「自分よりも立場が弱い人」、例えば、自分より年齢が低い人、ビジネスでは、受注者側の人に対して、この考え方を忘れずに実践することが重要になります!
目次
「人をコントロールしない」とは?
人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)とは、
- 自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールしない
(そもそも、しようとしない)ことです。
自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールしない
心をフロー状態に保つには、自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことが大切です。
「いやいやいや、自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールしようなんて思ってないけど、、、」
と思われたかもしれませんが、(もちろん、私もそう思っていましたが、)
「自分よりも立場が弱い人」に対しては、知らず知らずのうちに、自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールしようとしている場合があるので、要注意です。
「自分より立場が弱い人」とは、自分より経験が少ない人、自分より年齢が低い人などが該当します。
私も自分自身で本当に注意しなければいけないと感じているのは、子供に対しても、自分の思い通りになるようにコントロールしてはいけないということです。
特に、忙しいとき、疲れているとき、急いでいるときには、
「もう、ちゃんと言うこと聞いて!」「勝手なことばっかりせんといて!」「とにかく、早くして!!」
などと、大きな声を出してしまうことがありますが、これは、完全に、子供を自分の思い通りになるようにコントロールしようとしていることが原因です、、、
子供が自分の言うことを聞いてくれなかった(自分の思い通りにならなかった)場合、
- 自分の言うことを聞いてくれなかったこと
- 自分の思い通りにならなかったこと
に対して、心は「揺らがされて」「捉われて」しまい、平静を保てなくなります。
また、ビジネスでは、後輩や部下など以外にも、受注者側(お金をもらう側)に該当する人の立場が弱いことがほとんどです。
(たまに、超優秀なコンサルタント、めちゃくちゃスキルが高いエンジニアなど、受注者側でも立場が強い人もいますが、、、)
発注者側の立場になったときでも、受注者側の立場が弱い人に対して、
「お金払ってるねんから、●●して当然でしょ?」「もっと良い提案出来へんの!?」「今日中に何とかしてね!!」
など、自分の思い通りになるようにコントロールしようとしてはいけません。
自分の思い通りになるようにコントロールしようとすると、少しでも自分の思い通りにならなかったことや人に対して、心が大きく「揺らがされて」「捉われて」しまい、心をフロー状態に保てず、冷静な判断ができなくなってしまいます!
なぜ、「人をコントロールしない」ことが大切なのか?
なぜ、人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことが大切なのか?というと、
- 自分以外の誰かを、自分の思い通りにするのは不可能だから
- 自分の思い通りにしようとすると、心をフロー状態に保てなくなるから
です。
自分以外の誰かを、自分の思い通りにするのは不可能だから
まずは、
・自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールするのは不可能
ということを再認識する必要があります。
それは、経験が少ない人、年齢が低い人、受注者側の人など、自分より立場が弱い人に対しても同様です。
どれだけ自分より立場が弱い人であっても、例え、自分の子供でまだ年齢が低くても、「自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールするのは不可能」です。
その人にはその人なりの考えがあり、意思があり、自分以外の誰かにコントロールされることを望んでいる人なんていません。
育児をしていて少し驚きましたが、1歳の子供でも、ちゃんと自分の意思をもっています。(それも、強い意思です!)誰しもが「自分の人生なので、自分のことは、自分で決めたい!」と当然思っていることを再認識することが大切です!
自分の思い通りにしようとすると、心をフロー状態に保てなくなるから
次に、
・自分以外の誰かを、自分の思い通りにしようとすると、心をフロー状態に保てなくなる
ので、「そもそも人をコントロールしようとしない」ことが大切です。
人をコントロールしようとすると、その人が自分の思い通りにならなかったときに、すぐに、心が「揺らがされて」しまいます。
その人が
「自分の思い通りにならないのでは、、、?」
という不安から、その人のことが気になって仕方なくなり、その人の言動の細かい部分に、心が「捉われて」しまいます。
人をコントロールしようとしてしまった時点から、心を「揺らがず」「捉われず」あるがままで自然な状態=フロー状態に保つことができなくなるので、「そもそも人をコントロールしようとしない」ことが何よりも大切です。!
人のやる気を引き出すには、どうすれば良いのか?
では、人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことを大前提に、自分以外の誰かのやる気を引き出すにはどうすれば良いのか?というと、
内的な動機付けにより、人のやる気を上手に引き出す
と良いです。
内的な動機付けにより、人のやる気を上手に引き出す
人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことを大前提に、自分以外の誰かのやる気を引き出す方法に関しては、
TEDで公開されているプレゼンテーションの1つ(※TEDとは、「Ideas worth spreading」の理念のもと、価値のあるアイデアを世界中に普及させることを目的とした、アメリカの非営利団体により運営管理される組織のことです)
「 The puzzle of motivation 」 by Dan Pink (TEDGlobal 2009)
が非常に参考になります。
※TEDの公式サイトで紹介されている本プレゼンテーションのページ(外部リンク)において、「日本語」を選択すると、全文の日本語訳をすぐにみることができます。
プレゼンテーションの中で、アル・ゴア副大統領の首席スピーチライターを務めた後、フリーランスとなり、キャリア形成の専門家として活躍している Dan Pink 氏は、
「科学が解明したこと」と「ビジネスで行われていること」の間には、食い違いがあること。
「科学が解明したこと」は、 ビジネスでやる気を出させるには、当然のものだとみんなが思っている「報酬と罰(アメとムチ)」による外的な動機付けは、「単純なルール」と「明確な答え」がある場合にしか機能しないこと。
現在(21世紀)の仕事には、「単純なルール」と「明確な答え」などなく、ルールが曖昧で、答えは、そもそも存在するかも分からず、答えを見つけだしたときは、誰もが驚くようなものであること。
「単純なルール」と「明確な答え」がない場合に、人のやる気を引き出すには、「自主性(autonomy)」「成長(mastery)」「目的(purpose)」の3つの要素を軸にした、内的な動機付けが重要であること。
「自主性(autonomy)」とは、自分の人生の方向は、自分で決めたいという欲求のこと。
「成長(mastery)」とは、自分が大切だと思うことについて、上達したいという意欲のこと。
「目的(purpose)」とは、自分自身よりも、大きな何かのためにやり遂げたいという切望のこと。
人のやる気を引き出すには、外的な「報酬と罰(アメとムチ)」を与えるのではなく、 内的な「3つの欲望」を高めてあげることが重要であること。
「 The puzzle of motivation 」 by Dan Pink (TEDGlobal 2009)
と伝えています。
このプレゼンは、本当にむちゃくちゃ参考になります!このプレゼンは、2009年に講演されたものですが、いまだに、ビジネスの現場の大多数では、ほぼ意味がない「報酬と罰(アメとムチ)」による外的な動機付けが行われています、、、
「単純なルール」と「明確な答え」がない現代のビジネスにおいては、人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことを大前提にして、
「自主性(autonomy)」「成長(mastery)」「目的(purpose)」の3つの要素を軸にした、内的な動機付けにより、人のやる気を上手に引き出すこと
が大切です!
【具体例】子供のやる気を上手に引き出す
更に、ビジネスに限らず日常生活においても、特に、子供のやる気を引き出す際も、内的な動機付けにより、子供のやる気を上手に引き出すと良いです!
どんなに小さい子供でも、
「自分のことは、絶対に自分で決めたい!」「自分でやってみたい!」
と思っているので、(大人より子供の方が意思が強いもしれません)、子供の自分でやりたい気持ちである「自主性(autonomy)」を尊重して、見守ってあげることが大切です。
子供には、子供の考えがあり、子供のペースがあります。
子供は、大人が見ていたら、
「何でそんなことすんの!?」「あぁ、そんなことしないで!」「もっと、こうしたらええのに!!」
ということをたくさんしますが、(もう、見てられなくなりますが、)
グッと我慢して、子供の「自主性(autonomy)」に任せることが重要です。
(これが、忙しいとき、疲れているとき、急いでいるときなどは、なかなか難しいのですが、、、)
どんな子供でも、自分で取り組むことに対して「上達したい!」と思っています。
子供は、すぐにはできない難しいことに取り組んだとときに、
「こんなんできへんわ、、、」「ムリやわ、、、」「もう、やらない、、、」
というように、すぐに投げ出して(すぐに飽きて)しまうことがしょっちゅうありますが、しばらくすると、放っておいても、その出来なかったことに取り組みます。
そして、また、すぐに辞めて(飽きて)、けど、放っておいたらまたやって、また、辞めて(飽きて)、また、やって、、、、ということを繰り返していくうちに、いつの間にか、
「こんなん簡単やで!」「こうやんねん!見ててや!!」
とか言い出します(笑)(本当に、簡単にできるようになっているのが、びっくりです!)
表面上は、なかなか見えにくい、しかし、どんな子供でも必ず持っている「上達したい!」という意欲に対しては、失敗しても、
「もう、1回やってみたら?」「また、明日でもやってみたら?」
と、子供の「成長(mastery)」を促すように、根気よく励ますことが大切です。
そして、どんな子供でも、自分自身よりも「大きな何かを成し遂げたい」と思っています、、、
っと言いたいところですが、最初から「大きな何かを成し遂げたい」という「目的(purpose)」をもっていることは、ほとんどないですね、、、
まだ、世の中にはどんなことが存在するかも知らない子供に対しては、
「こんな世界もあるんやで!」「あんな職業も面白いで!」「そんなこと出来たら楽しいよね!」
というように、大人が子供の興味や関心を持つきっかけを作ることが大切です。
子供が何に対して興味や関心をもち、どんなことに対して「大きな何かを成し遂げたい」と思うようになるかは、全く分からないので、
子供の可能性を消さないように、しかし、決して押し付けにならないように、様々な体験をさせてみて、色んな場所に連れていき、多くの人に触れさせることで、ぜひ、興味や関心を持つきっかけを作ってあげてください!
大人が用意した、たくさんの興味や関心を持つきっかけから、子供が自分自身よりも「大きな何かを成し遂げたい」と思うようになれば、その「目的(purpose)」を達成できるように、全力でサポートしてあげることが大切です!
まとめ
- 自分以外の誰かを、自分の思い通りになるようにコントロールするのは不可能であること
- 自分の思い通りになるようにコントロールしようとしてしまった時点から、心を「揺らがず」「捉われず」あるがままで自然な状態に保つことができなくなること
- 「自主性(autonomy)」「成長(mastery)」「目的(purpose)」の3つの要素を軸にした、内的な動機付けにより、人のやる気を上手に引き出すこと
人をコントロールしない(そもそも、しようとしない)ことで、心をフロー状態に保ち、かつ、
「自主性(autonomy)」「成長(mastery)」「目的(purpose)」を軸にして、人のやる気を上手に引き出すことで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!