「3-7.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(3)超マイナス思考で備える」の記事に引き続き、
心をフロー状態、すなわち、「揺らがず」「捉われず」、あるがままで自然な心の状態に保つのに、役立つ考え方をご紹介します。
それは
・速やかならんと欲することなかれ
という考え方です。
目次
「速やかならんと欲することなかれ」とは?
「速やかならんと欲することなかれ」とは、『論語』で紹介されている言葉で
「速やかならんと欲することなかれ」
=「速やかに成果を残そうと焦ってはいけない。無理に速くしようとすると、目標を達成できなくなる」
『論語』より
という意味です。
- あれ?短時間で成果を残して、自分の人生を生きるのでは?
- 「短時間で成果を残すこと」と、「速やかに成果を残そうと焦ってはいけないこと」は矛盾しているのでは?
と思われたかもしれませんが、
「短時間で成果を残す」ために、「本当に重要なことは何なのか?」「良循環を起こすには、何から取り組めば良いのか?」「これさえ解決すればうまくいくという根本課題は何なのか?」「この人さえ納得してもらえればうまくいくというキーパーソンは誰なのか?」
ということを真剣に考えて、行動することは、非常に重要ですが、行動した結果、
- すぐに成果が出なかったときに焦ってはいけない(すぐに成果が出ることを期待してはいけない)
- 強引に成果を出すような真似をしてはいけない(当然、不正に手を染めてはいけない)
という意味となりますので、矛盾はしていません。
- すぐに成果が出ることを期待せずに、じっくり腰を据えて取り組むこと
- すぐに成果が出なかったとしても、失敗から学び、何度でも挑戦すること
が大切になります。
私は、なかなか成果が出ずに焦ってしまいそうになるとき、必ずこの「速やかならんと欲することなかれ」という言葉を自分に言い聞かせて、
心をフロー状態、すなわち、「揺らがず」「捉われず」、あるがままで自然な心の状態に保つようにしています。
もう何度、この言葉に心を救ってもらったかは分かりません。
なぜ、「速やかならんと欲することなかれ」が大切なのか?
なぜ、「速やかならんと欲することなかれ」が大切なのか?というと、その理由は、
- 「急いては事を仕損じる」から
- 「思い通りになることなんて、皆無」だから
- 「成長の実感や学習効果が得られるまでには時間が掛かる」から
です。
「急いては事を仕損じる」から
「急いては事を仕損じる」とは、
・何事も焦ってやると失敗してしまう可能性が高くなるので、急ぐときほど落ち着いて行動しなさい
という意味です。
これは、論語の現代語訳である
・無理に速くしようとすると、目標を達成できなくなる
とほとんど同じ意味です。
これは、日常生活においても、仕事においても、ありとあらゆるとこで当てはまります。
遅刻しそうな時に、焦って家を出るとモノを忘れてしまう、、、。
約束の時間に間に合うために、焦って車の運転をして事故ってしまう、、、。スピード違反や一時停止の見逃しで捕まってしまう、、、。
早く帰りたい気持ちから、焦って資料を仕上げると重要なことが伝わらなくなってしまう、、、。
期限に間に合わせようとして、焦ってシステムを構築すると、プログラムのバグが残ってしまう、、、。
などなど、思い当たる節が多過ぎますが、本当に焦っても良いことはありません。
「思い通りになることなんて、皆無」だから
日常生活においても、仕事においても、自分の「思い通りになることなんて、皆無」です。
どんな些細なことでも、自分の思い通りになることは、ほとんどありません。
- 本当に重要なことは何なのか?
- 良循環を起こすには、何から取り組めば良いのか?
- これさえ解決すればうまくいくという根本課題は何なのか?
- この人さえ納得してもらえればうまくいくというキーパーソンは誰なのか?
ということを、今までの自分の経験、先輩や同僚のアドバイス、他の参考となるデータなどから、真剣に考えて、どれだけ事前準備をして、実行に移したとしても、
「思い通りになることなんて、皆無」
です。
「思い通りになることなんて、皆無」ということを大前提として、「こうすればうまくいくのでは?」という仮説をもって実行し、
- 全然ダメだった、、、
- ほとんどダメだったが、良かった部分もあった
- ほとんど良かったが、改善すべき部分もあった
のか、実行の結果を冷静に分析して、「次は、こうすればうまくいくのでは?」という仮説を再び立てて、実行することを繰り返す必要がある
ということを、理解しておけば、実行した結果は、分析対象であり、学習対象となるので、焦ることがなくなります。
「成長の実感や学習効果が得られるまでには時間が掛かる」から
また、どんなことに取り組む場合も、何を勉強する場合も、「成長の実感や学習効果が得られるまでには時間が掛かる」ものです。
・やればやった分だけ、成長の実感や学習効果が得られる
と良く言われますが、正確には、
・やればやった分だけ、最初は全然成長の実感や学習効果が得られないが、長い時間継続することで、行動し続けることで、成長の実感や学習効果が得られる
ものです。(それも、すでに実現した人が多数おり、その人達の考え方や取り組み方をきちんと真似して行動し続けた場合です)
- 語学を習得するには、2,000時間のインプットが必要である(英語学習教材より)
- 何事も極めるには、1万時間の鍛練が必要である(1万時間の法則より)
などと言われており、個人により、環境により、取り組み方により、成長の実感や学習効果が得られるまでの時間は様々ですが、相当の時間が掛かることだけは確かです。
「相当の時間」が数ヶ月なのか?数年なのか?数十年なのか?は、取り組むもの、勉強するもの、目指すべきものによって様々ですが、情熱と粘り強さをもって、過去の偉人や他の成功者を大いに参考にしたうえで、行動し続けることが大切です。
もちろん「すぐに稼げる!」は、詐欺です。
「すぐに稼げる!」のは、あなたではなく、その話を持ち掛けた人だけですので、ご注意ください。
もし、「すぐに成長の実感や学習効果が得られた」場合は、とても幸運だったと思い、ほとんどの場合は、「成長の実感や学習効果が得られるまでには時間が掛かる」ものですので、幸運を追い求めないようにしてください。
(幸運だけを追い求めるのは、破滅への道ですので、、、)
どのように「速やかならんと欲することなかれ」を実践すれば良いか?
どのように「速やかならんと欲することなかれ」を実践すれば良いか?というと、
- 「徹底的に考えて、行動し続けて、あとは気長に待つ」
- 「大器晩成型の人間である」と思い込む
と良いです。
「徹底的に考えて、行動し続けて、あとは気長に待つ」
「速やかならんと欲することなかれ」と聞いて、なーにも考えずに、なーんの行動もせずに、ただただ成果が出ることを待っていてはダメです。
当たり前ですが、何の成果も残せません。
・少しでも少ない時間で、エネルギー(気力と体力)で、お金で、成果を残すにはどうすれば良いのか?
ということを徹底的に考えて、行動し続けて
・成果が出るのは、焦らず、気長に待つ
ことが大切です。
- 本当に達成したいことは何なのか?本当に重要なことは何なのか?
- その実現のためには、今、この瞬間何をすべきなのか?
ということを常に自問自答し、その場、その場で最善の手を尽くすことが重要です。
そして、最善を尽くしたら、後は、気長に待ちましょう!
「大器晩成型の人間である」と思い込む
「3-2.心を最高の状態に保つには、結局最後はうまくいくと思い込むこと」の記事で紹介した、
・自分の人生は、結局、最後はうまくいく
と似ている考え方ですが、ぜひ、
・自分は、大器晩成型の人間である
と思い込んでください!
私は、自分自身のことを、「大器晩成型の人間である」と思い込んでいます。
何の根拠もありません。
誰かに言われた訳でもありません。
疑う余地はありませんし、疑う気もありません(笑)
ただただ、私自身が自分のことを「大器晩成型の人間である」と盲目的に思い込んでいるだけです。
他の人から見たら「痛い人間だ」と思われるかもしれませんが、私の人生なので、それで構いません。
別に、「大器晩成型の人間である」と思い込むだけで、傲慢に驕り高ぶるつもりもありません。
「大器晩成型の人間である」と思い込み、一人一人を大切にし、一つ一つのことに対して、謙虚・懸命・堅実に取り組んで生きていきます。
まとめ
- 心をフロー状態に保つのに「速やかならんと欲することなかれ」という考え方が有効であること
- すぐに成果が出ることを期待してはいけないこと。成果が出なくても、焦らないこと
- 成果が出るのは、気長に待つこと。自分は「大器晩成型の人間である」と思い込むこと
すぐに成果を残したいのは、誰もが望むことで、短時間で成果を残せるように、徹底的に考えて、行動し続けることが大切ですが、すぐに成果が出ることを期待しないこと、成果が出なくても焦らないことが重要です。
「速やかならんと欲することなかれ」という考え方により、心をフロー状態に保ち、その場、その場で最善を尽くすことができるようになり、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
- 3-25.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(21)相手の感情に流されない
- 3-24.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(20)いつからでも何回でもやり直せる
- 3-23.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(19)逆境を喜ぶ
- 3-22.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(18)一人でもゼロからでも何とかする
- 3-21.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(17)今いる人、今あるモノに感謝する
- 3-20.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(16)気にしたら負け
- 3-19.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(15)好きとか嫌いとか関係ない
- 3-18.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(14)半分冗談・半分本気
- 3-17.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(13)謙虚・懸命・堅実に生きる
- 3-16.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(12)人をコントロールしない
- 3-15.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(11)すべては自分の責任
- 3-14.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(10)先義後利(せんぎこうり)
- 3-13.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(9)天命を全う(まっとう)する
- 3-12.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(8)みんなミジンコ
- 3-11.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(7)マイノリティで良い
- 3-10.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(6)ストレスと友達になる
- 3-9.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(5)セルフコンパッション
- 3-8.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(4)速かならんと欲することなかれ
- 3-7.心をフロー状態に保つ考え方(3)超マイナス思考で備える
- 3-6.心をフロー状態に保つ考え方(1)失敗促進 (2)「ハッハッハッ」と笑い飛ばす
- 3-5.心をフロー状態に保つには、どうすれば良いのか?
- 3-4.心を最高の状態に保つには、心をフロー状態に保つこと
- 3-3.心を最高の状態に保つには、「自分の心の状態は、自分で決める」こと
- 3-2.心を最高の状態に保つには、「結局、最後はうまくいく」と思い込むこと
- 3-1.心を最高の状態に保つには、「自分がどんな人間か」は自分で決めること
成果が出ないときは、どうしても焦ってしまうものです。そして、焦れば焦るほど、更に、成果は出なくなってしまいます。そんな時は、「速やかならんと欲することなかれ」という言葉を思い出して、心をフロー状態に保ってください!