「3-9.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(5)セルフコンパッション」の記事に引き続き、
心をフロー状態、すなわち、「揺らがず」「捉われず」、あるがままで自然な心の状態に保つのに、役立つ考え方をご紹介します。
それは
・ストレスと友達になる
という考え方です。
ストレスと友達になるとは?
これは、TEDで公開されているプレゼンテーションの1つ(※TEDとは、「Ideas worth spreading」の理念のもと、価値のあるアイデアを世界中に普及させることを目的とした、アメリカの非営利団体により運営管理される組織のことです)
「 How to make stress your friend 」by Kelly McGonigal (TEDGlobal 2013)
の中で紹介されている考え方になります。
※TEDの公式サイトで紹介されている本プレゼンテーションのページ(外部リンク)において、「日本語」を選択すると、全文の日本語訳をすぐにみることができます。
プレゼンテーションの中で、健康心理学者であり、健康や幸福、そして、個人的な成功に関する学術的な研究を、実用的で分かり易い内容にして世の中に発信している Kelly McGonigal 氏は、
ストレスが健康に悪いのではなく、「ストレスが健康に悪いと考えること」が、健康に悪影響を及ぼす。
ひどいストレスを経験した場合に、「ストレスが健康に害を及ぼすと信じていた」人たちだけ、死亡するリスクが高くなり、「ストレスが無害だと考えていた」人たちの死亡リスクは低かった。
ストレスに対する考え方を変えることで、人はより健康になれる。ストレスに対する体の反応を変えることができる。
ストレスと、ストレスにより起こる体の反応(心拍数や呼吸の回数が上昇したり、汗が出たりすること)を、不安の表れなど悪く考えると、血管が収縮するが、能力を発揮できるようにするための助けなど肯定的に考えると、血管が収縮することはない(リラックスしたときと変わらない状態になる)
人はストレスを感じると、 オキシトシンというホルモンが分泌されるが、オキシトシンは、他の人々と親密な関係を強めるような行動を促す。例えば、友達や家族との身体的な接触を強く望むようにさせたり、人との共感を高め、更には、私たちが大切に思う人たちを、進んで助けたり支えたいと思わせたりもする。
そして、実際に、他の人に対して思いやりをもった行動をすれば、ストレスに対する回復力を高めることができる。
「 How to make stress your friend 」by Kelly McGonigal (TEDGlobal 2013)
と伝えています。
まず、ストレスとは、「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと」です。
私も、このプレゼンテーションを聞くまでは、「ストレス=健康を害するもの」と考えていましたし、まさかストレスが健康に良いものになるとは、思ってもいなかったので、プレゼンテーションの内容には、衝撃を受けました。
自分自身を傷つけていたのは、自分自身のストレスに対する考え方だったとは、考えたことも無かったので、これまでの行いに対して、「あぁ、自分を痛めつけ過ぎた、、、」と深く反省しました(泣)。
本プレゼンテーションを見てからは、ストレスに対する考え方を変え、ストレスと友達になることを心がけています。
ストレスと友達になるとは、具体的には
- ストレスと、ストレスにより起こる体の反応を、肯定的に考えること
- ストレスを感じたら、他の人に素直に助けを求めること。また、他の人の助けになること
です。
なぜ、ストレスと友達になった方が良いのか?
なぜ、ストレスと友達になった方が良いのか?と言うと、少し繰り返しになりますが、
- ストレスは健康に害を及ぼすと考えたら、本当に健康に害を及ぼすから
- ストレスと、ストレスにより起こる体の反応を、肯定的に考えると、健康に害を及ぼすことがなくなるから。更には、リラックスした状態を保てるから。
- ストレスを感じた時に、他の人に素直に助けを求めることで、一人で悩まなくて良くなるから。更には、同じストレスを感じている人の助けになることで、ストレスに対する回復力を高めることができるから
です。
まずは、「ストレスは健康に害を及ぼす」という考えだけは、すぐにでも辞めてください!
そう考えるだけで、知らず知らずのうちに、自分自身を傷つけてしまうことになりますので。
(私のように、自分自身を痛めつけないでください)
そして、ストレスと、ストレスにより起こる体の反応を、肯定的に考えること、ストレスを感じたら、他の人に素直に助けを求めること、また、他の人の助けになることで、ストレスと友達になりましょう!
どのようにして、ストレスを有効活用すれば良いのか?
ストレスと友達になったら、ストレスを次のように有効活用することをオススメします。
- ストレスを感じたら、大歓迎して、集中力を高める助けにすること
- ストレスを感じたら、他の人に素直に助けを求めて、ストレスを感じる原因を克服すること
- ストレスを感じたら、同じストレスを感じている人を探して、助けてあげること
まずは、ストレスは友達なので、ストレスが寄って来たら(ストレスを感じたら)「おぉ、良く来たな!」と大歓迎してあげましょう。
そして、ストレスを感じることで引き起こされる、心拍数や呼吸の回数が上昇したり、汗をかいたりする反応に対して、
・能力を発揮できるようにするために、集中力を高めるようにするために、応援してくれている
と考えましょう!
これは、一人で解決できる課題に取り組むときや、一人で解決すべき課題に取り組む際に、有効な考え方です。
例えば、試験を受けること、商談でプレゼンテーションすること、セミナーでスピーチすることなどは、どうしても、本番では、一人で取り組む必要があるので、
ストレスを感じたら、友達がそばで応援してくれていると考え、集中力を高める助けにしてください。
次に、一人ではなかなか解決できない課題に取り組むとき、もともと複数人で解決する課題に取り組むときに、ストレスを感じたら、
「同じ課題に悩む友達が来た!」
と考え、その友達と一緒に、課題を解決するためのアドバイスをもらえる人に、素直に助けを求めましょう!
一人でアドバイスを求めるのは、少し気が引けるかもしれませんが、友達と一緒に行くと考えれば、少し気が楽になります。
私は、ストレスを「同じ課題に悩む友達」と考えるようになってからは、以前より素直に助けを求めれるようになりました。
また、「同じ課題に悩む友達」であるストレスと一緒に、更に、同じ課題で悩んでいる人たちを助けに行ってあげましょう!
これも、一人で他の人を助けに行くより、友達と一緒に行った方が、心強いものです。
私は、「同じ課題に悩む友達」であるストレスと一緒に、他の人を助けに行くと考えるようになってからは、他の人にアドバイスすることに、抵抗感が無くなりました。
ぜひ、ストレスと仲の良い友達になり、その仲の良い友達を、あなたのために有効活用してください!
まとめ
- ストレスは考え方次第で、悪いものにも、良いものにもなる。
- ストレスと友達になることで、能力を発揮できるようになる。
- ストレスと友達になることで、素直に助けを求めることができる。また、他の人の助けになることができる。
ストレスがあなたにとって良いものになるか、悪いものになるかは、考え方次第ですので、考え方を変えることで、ストレスを有効活用し、
能力を発揮できるようになり、素直に助けを求めれるようになり、他の人を助けれるようになることで、あなたの人生がより良いものになることを、心から願っています!
- 3-25.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(21)相手の感情に流されない
- 3-24.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(20)いつからでも何回でもやり直せる
- 3-23.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(19)逆境を喜ぶ
- 3-22.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(18)一人でもゼロからでも何とかする
- 3-21.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(17)今いる人、今あるモノに感謝する
- 3-20.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(16)気にしたら負け
- 3-19.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(15)好きとか嫌いとか関係ない
- 3-18.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(14)半分冗談・半分本気
- 3-17.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(13)謙虚・懸命・堅実に生きる
- 3-16.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(12)人をコントロールしない
- 3-15.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(11)すべては自分の責任
- 3-14.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(10)先義後利(せんぎこうり)
- 3-13.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(9)天命を全う(まっとう)する
- 3-12.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(8)みんなミジンコ
- 3-11.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(7)マイノリティで良い
- 3-10.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(6)ストレスと友達になる
- 3-9.心をフロー状態に保つのに役立つ考え方(5)セルフコンパッション
- 3-8.心をフロー状態に保つ考え方(4)速かならんと欲することなかれ
- 3-7.心をフロー状態に保つ考え方(3)超マイナス思考で備える
- 3-6.心をフロー状態に保つ考え方(1)失敗促進 (2)「ハッハッハッ」と笑い飛ばす
- 3-5.心をフロー状態に保つには、どうすれば良いのか?
- 3-4.心を最高の状態に保つには、心をフロー状態に保つこと
- 3-3.心を最高の状態に保つには、「自分の心の状態は、自分で決める」こと
- 3-2.心を最高の状態に保つには、「結局、最後はうまくいく」と思い込むこと
- 3-1.心を最高の状態に保つには、「自分がどんな人間か」は自分で決めること
「えっ、ストレスと友達になるって、どういうこと!?」と思われたかもしれませんが、あなたの考え方次第で、ストレスは、あなたにとって良いものにも、悪いものにもなります。ストレスに対する考え方をガラッと変えて、ストレスと仲の良い友達になりましょう!